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使う量より多くの電気を送り出す市区町村は全国に410ある。いちばん多いのは太陽光ではなく水力の町

自治体が地方公共団体実行計画(区域施策編)を作るとき、区域内の再生可能エネルギーの導入量を目標として書く欄があります。太陽光パネルの設置容量なら把握できても、「うちの町は電気を出す側なのか、もらう側なのか」を、電源を限らずに実際の電力量で確かめた経験は、担当者でも意外と少ないのではないでしょうか。

その突き合わせに使えるデータが、2022年度から公表されています。資源エネルギー庁の電力調査統計には、市区町村ごとの需要電力量と、市区町村ごとの逆潮流量が、それぞれ月単位で収録されています。この2つを同じ市区町村で並べると、その町が送電網から受け取った電気と、送電網へ流し込んだ電気の量が比べられます。

送電網に流した電気と、受け取った電気

使うのは2つのテーブルです。需要電力量(power_demand_by_municipality)は、小売電気事業者がその市区町村の需要家へ供給した電力量で、単位はMWhです。逆潮流量(reverse_power_flow_by_municipality)は、その市区町村にある発電設備から送電網へ流れ出た電力量で、水力・火力・原子力・風力・地熱・太陽光・バイオマス・蓄電池・その他の電源別に分かれています。発電した場所でそのまま消費される自家消費分は、どちらの数字にも入りません。ここで比べるのは送電網を通った電気だけです。

収録は2022年4月から2025年3月までの36か月分、1,747市区町村です。政令指定都市は市単位、東京都特別区は区単位で、以下では需要電力量に値のある1,741市区町村を対象にします。

2024年度の全国合計では、需要電力量が831.0TWh、逆潮流量が881.0TWhで、逆潮流量は需要の106.0%にあたります。ほぼ釣り合った量が送電網を出入りしているわけですが、市区町村ごとに見ると事情はまったく違います。1,741のうち410で、年間の逆潮流量が需要電力量を上回りました。全体の23.5%にあたります。

送り出す側の町といえば太陽光を思い浮かべやすいところですが、この410を、その町でいちばん多く送り出している電源で分類すると、順番が違います。分類には上の9電源すべてを使い、最も量の多い1つをその町の電源としています。

いちばん多いのは水力の166市区町村で、410の4割を占めます。2番目は火力の104で、太陽光は65と3番目にすぎません。以下、風力が45、バイオマスが16、原子力が8、地熱が6と続きます。水力・太陽光・風力・バイオマス・地熱を合わせた298市区町村、410の72.7%は、再生可能エネルギーが最大の電源にあたります。

太陽光だけを見ていると、送り出す側の町のうち65しか視野に入りません。水力が最大の電源の町は、その2.5倍あります。

送り出しの規模には非常に大きな幅があります。比率が最も高いのは福井県高浜町で、逆潮流量が需要の34,021%、つまり340倍です。福井県おおい町(31,728%)、北海道厚真町(25,066%)、佐賀県玄海町(23,060%)が続き、上位10市区町村のうち9つは原子力または火力が最大の電源です。平均を取るとこれらに引きずられるため、以下では中央値で比べます。中央値は火力が336.8%、水力が281.9%、風力が246.3%、太陽光が141.7%で、太陽光の町は他の電源の町より需要に近い水準にとどまっています。

一方、410のうち52市区町村は比率が100%から110%の狭い帯に収まっています。このうち25は火力が最大の電源で、東京都大島町・八丈町、沖縄県宮古島市、長崎県対馬市など、本土の送電網とつながっていない島がその大半を占めます。島内の発電所が島内の需要をまかなう独立した系統なので、送り出しているというより出入りが島の中で完結している状態です。この帯の町を「電気を域外へ供給している」と読むと誤ります。

3年で37市区町村増えた

このデータは2022年度から3年度分そろっています。年度ごとに数え直すと、送り出しが上回る市区町村は増えています。

2022年度は373、2023年度は403、2024年度は410でした。3年で37市区町村増えたことになります。同じ期間に再生可能エネルギーが最大の電源である市区町村は258から298へ40増えており、全体の増加分37を上回ります。差の3は、原子力または火力が最大の電源である市区町村が115から112へ減った分です。母数の1,741市区町村は3年度とも同じなので、対象の入れ替わりによる変動ではありません。

どこにあるのか

410市区町村の分布を都道府県別に見ます。色が濃いほど、その都道府県で送り出しが上回る市区町村が多いことを示します。

最も多いのは北海道の55市区町村で、福島県26、長野県24、鹿児島県18、高知県14と続きます。市区町村数そのものが多い北海道と長野県が上位に来るのは自然ですが、宮崎県は26市町村のうち13、つまり半数が該当します。逆に埼玉県と滋賀県はどちらも0で、県内のすべての市区町村が受け取る側です。

細くなる季節は、電源ごとに違う

主力の電源が違えば、送り出しが細る季節も違います。最大の電源が水力の166市区町村、風力の45市区町村、太陽光の65市区町村について、それぞれのグループの合計で月ごとの比率を出しました。100%の線は、そのグループ全体で送り出しと受け取りが釣り合う水準です。

3本の線は、山と谷の位置が互いにずれています。水力の町は7月の465.46%が最高、2月の190.58%が最低で、春から夏にかけて高く、冬に下がります。風力の町は正反対で、最も高いのが12月の366.37%、最も低いのが8月の145.59%です。風力の町が底を打つ8月は、水力の町も314.8%まで落ちる一方、太陽光の町は152.85%と年間でも高い水準にあります。

振れ幅の大きさも電源で違います。水力と風力の町は最も低い月でも需要の1.9倍から1.5倍を送り出しており、年間を通じて出す側に留まります。これに対して太陽光の町は5月の201.51%から1月の99.96%まで落ち、冬の1か月を切り取ると受け取る側に回ります。年間の合計では上回っていても、月で見れば反転する水準にあるということです。

区域内の再エネ導入量を容量で積み上げるだけでは、このずれは見えません。年間の帳尻が合っていても、どの月にどれだけ細るかは主力の電源で決まります。地域新電力のように区域内の電源から区域内へ供給する仕組みを考えるなら、細る季節にどこから調達するかが設計の中心になります。

業務での使い方

  • 自分の自治体が送り出す側か受け取る側かを、設備容量ではなく実際に送電網を流れた電力量で確かめる。区域施策編で再エネ導入量の目標を立てるときの出発点になります
  • 区域内で最も多く送り出している電源を特定し、その電源が細る季節を月別に把握する。太陽光が主力なら冬、水力が主力なら冬から早春、風力が主力なら夏です
  • 隣接する市区町村の月別の値と並べて、細る季節が互いに補い合うかを見る。都道府県単位の集計では見えない組み合わせが出てきます

データの出典

本記事は資源エネルギー庁電力調査統計の統計表6-(1)「市町村別需要電力量」と6-(2)「市町村別逆潮流量」を、2026年8月27日時点で集計しています。収録期間は2022年4月から2025年3月までの36か月で、年度は4月始まりです。数値の単位はMWhです。都道府県の地図は国土交通省の国土数値情報 行政区域データを使っています。

市区町村ごとに電気の出入りをそろえて数えると、電源によって送り出しの厚みも細る季節も違うことが、輪郭を持って現れます。こうした分析の土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。資源エネルギー庁や国土交通省のオープンデータについて、列名・単位・文字コードを揃え、テーブルの成り立ちや集計の単位をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った市町村別逆潮流量テーブルと市町村別需要電力量テーブルから、自分の担当する市区町村の月別の実績を確かめられます。行政データの整備に時間を取られず、区域のエネルギー計画の判断そのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「自分の市区町村について、2022年度から2024年度までの需要電力量と電源別の逆潮流量を月ごとに出して。水力・風力・太陽光それぞれが需要の何%にあたるかも比べて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: 自分の市区町村について、2022年度から2024年度までの需要電力量と電源別の逆潮流量を月ごとに出して。水力・風力・太陽光それぞれが需要の何%にあたるかも比べて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/municipal-power-net-export.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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参考 (この記事): https://queria.io/showcase/municipal-power-net-export.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"

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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。