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津波の浸水が想定される場所に住む65歳以上は、25年で大阪市・横浜市では2万人超増え、地方の沿岸24市町村で4割以上減る

沿岸の市区町村で津波避難計画や避難行動要支援者の個別避難計画を担当していると、計画の前提になるのは「いま区域内に何人住んでいて、そのうち支援が要る人が何人いるか」です。ただ、避難路や避難タワーのように何十年も使う設備を考えるなら、25年後に区域内に誰が住んでいるかも知っておきたいところです。人口が減るなら避難の負担も軽くなる、と考えがちですが、区域内に住む人の年齢の構成は、人数とは別の動き方をします。

浸水が想定される場所に、いま誰が住んでいるか

この記事では、国土交通省の国土数値情報から2つのデータを重ねます。

テーブル 内容
nlftp.hazard.tsunami_inundation 津波浸水想定。都道府県が津波防災地域づくり法に基づいて設定した、最大クラスの津波で浸水する範囲のポリゴン
nlftp.population.future_population_mesh_500m 500mメッシュ別将来推計人口。500m四方の区画ごとの2025年・2035年・2050年の人口(population_*)と65歳以上の割合(elderly_ratio_*)

区画の中心点が浸水想定区域のポリゴンに入っていれば、その区画を「浸水が想定される場所」として数えます。区画の一部だけが浸水する海沿いの区画は、中心点が区域の外なら数に入らないので、ここでの人数は区域に住む人のおおよその規模です。65歳以上の人数は、区画ごとに人口と65歳以上の割合を掛けて合計しています。65歳以上の全員が避難に支援を要するわけではなく、避難行動要支援者名簿の対象は要介護度や障害の有無などで決まります。ここでの65歳以上は、支援が要る人を多く含む層の規模の目安です。

将来推計人口は、2020年の国勢調査で分かった区画ごとの男女・年齢の構成に、市区町村ごとの将来推計の仮定(生残率や転入・転出の傾向)を当てはめて作られています。2025年の値も実測ではなく、この方法による推計です。

津波浸水想定は、提供元が商用利用と再配布を認めている28道府県だけを収録しています。宮城県・千葉県・東京都・三重県・愛媛県・大分県・宮崎県などは含まれていないので、以下の数字は全国の合計ではなく28道府県の合計です。

この28道府県で、浸水が想定される場所に住む人は2025年に約605万人で、そのうち65歳以上は約180万人です。2050年には人口が約499万人まで減る一方、65歳以上は約188万人に増えます。

減るのは65歳未満だけです。65歳未満は約425万人から約310万人へ27.0%減り、65歳以上は4.6%増えます。区域内の65歳以上1人に対する65歳未満の人数は、2.36人から1.65人になります。避難の声かけや付き添いを担う側の人数が、支援を受ける側に対して3割ほど細る計算です。

同じ28道府県の区域の外でも、人口は17.7%減り、65歳以上は3.5%増えます。区域だけが特に高齢化するわけではなく、区域の中にも地域全体と同じ変化が及びます。

65歳以上が増える県と減る県

28道府県の合計では65歳以上が増えますが、県ごとに分けると向きが分かれます。次の図は、浸水が想定される場所に住む人について、2025年から2050年までの人口と65歳以上の増減率を県ごとに並べたものです。

人口はすべての道府県で減りますが、65歳以上が増えるのは8府県です。神奈川県が29.7%増、沖縄県が28.6%増、広島県が20.8%増と大きく、大阪府・兵庫県・愛知県も1割前後増えます。反対に、石川県は37.5%減、富山県は24.7%減で、区域内の人口の減り方に近い速さで65歳以上も減ります。

増える8府県のうち、神奈川県・大阪府・愛知県・兵庫県・広島県は、横浜市・大阪市・名古屋市・神戸市・広島市といった大都市の市街地を区域に含みます。

増えるのは大都市、減るのは地方の沿岸の町

市区町村ごとに見ると、向きの違いはもっとはっきりします。ここでは政令指定都市の行政区を市にまとめ、2025年に浸水が想定される場所に1,000人以上が住む280市区町村を比べます。複数の市区町村にまたがる区画は、どの市区町村にも割り当てずに除いています。福島県の沿岸部は将来推計が浜通りの市町村をまとめた1つの単位で作られているため、市区町村別の比較には入りません。

280市区町村のうち、区域内の65歳以上が2050年までに増えるのは80、減るのは200です。増える人数が大きい10市区町村は次のとおりです。

大阪市(25,146人増)、横浜市(24,700人増)、広島市(21,901人増)、川崎市(18,156人増)の4市は、区域内の65歳以上がそれぞれ2万人前後増えます。川崎市は区域内の人口そのものも2050年まで増える推計で、65歳以上は34.7%増えます。ほかの市は区域内の人口が減るので、避難場所に向かう人の総数は減りますが、そのなかで手助けが要りうる人の数は増えていきます。

一方、区域内の65歳以上の減り方が大きい10市町村は次のとおりです。推計は2020年の国勢調査をもとにしており、2024年の能登半島地震の後の人口の動きは反映していません。また、人数の少ない区画の65歳以上は秘匿のため隣の区画に合算されて公表されているので、区域内の人口が千人台の町ほど、増減率は区域の線引きの影響を受けやすくなります。

高知県室戸市では区域内の65歳以上が55.2%減り、ほかの9市町も4割台の減少です。4割以上減る市町村は280のうち24あり、いずれも地方の沿岸の市町村です。人数が減るので支援の対象は少なくなりますが、上の10市町村では2050年に区域内の住民の5割から7割が65歳以上になります。

65歳以上が減る200市区町村のうち195では、65歳未満がそれより速い割合で減ります。280市区町村のうち、区域内で65歳以上が65歳未満より多い市区町村は、2025年の15から2050年には87に増えます。支援の対象者が減る町でも、地域の中でその支援を担える人はそれ以上に減っていきます。

業務での活用

  • 自分の市区町村の区域内の65歳以上が、2050年までに増えるのか減るのかを確かめる。個別避難計画で支援者を割り当てるとき、いまの名簿の人数に加えて、25年後に対象となりうる人の規模を見込む材料になります
  • 65歳以上1人あたりの65歳未満の人数を区域単位で追い、地域の中で支援を担える人数の見通しを立てる。減っていく町では、自主防災組織だけに頼らない支援の組み立てを早めに検討する材料になります
  • 同じ県の中でも向きが分かれるので、県単位の推計ではなく、市区町村や区画の単位で避難計画の前提を見直す

データの出典

本記事は国土交通省の国土数値情報から、津波浸水想定データと500mメッシュ別将来推計人口データ(R6国政局推計)を、2026年10月9日時点で集計しています。将来推計人口は総務省「令和2年国勢調査」と国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」に基づく推計値です。

津波の浸水範囲と将来の人口は、別々の資料として公開されていて、重ねるには空間データを扱う手間がかかります。Queriaはこうした国土数値情報を、列名と座標系をそろえ、各列の意味をメタデータとして添えた形で公開しています。本記事で使った津波浸水想定のテーブルと500mメッシュの将来推計人口のテーブルから、自分の市区町村の区域に住む人の将来像を確かめられます。データを集めて重ね合わせる作業に時間を取られず、避難計画の前提をどう置くかという判断そのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「津波浸水想定区域のうち浸水深の下限(depth_min_m)が2m以上の範囲に中心点が入る500mメッシュだけに絞って、市区町村ごとに2025年と2050年の65歳以上人口を出して。区域全体で見たときと増減の顔ぶれが変わるかも比べて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: 津波浸水想定区域のうち浸水深の下限(depth_min_m)が2m以上の範囲に中心点が入る500mメッシュだけに絞って、市区町村ごとに2025年と2050年の65歳以上人口を出して。区域全体で見たときと増減の顔ぶれが変わるかも比べて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/tsunami-zone-elderly-2050.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
ターミナル(CLI)で始める
claude "Queria の公開データで次を分析してください: 津波浸水想定区域のうち浸水深の下限(depth_min_m)が2m以上の範囲に中心点が入る500mメッシュだけに絞って、市区町村ごとに2025年と2050年の65歳以上人口を出して。区域全体で見たときと増減の顔ぶれが変わるかも比べて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/tsunami-zone-elderly-2050.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"

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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。