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いちばん多くの人が働く先が会社ではない町村が全国に37ある。多くは医療や福祉の職場

市町村の雇用対策というと、企業の誘致や創業支援がまず思い浮かびます。用地を用意し、立地の補助金を組み、事業を始めたい人を後押しする——どれも相手は会社です。では、地域で実際に多くの人を雇っているのは、本当に会社なのでしょうか。

令和3年経済センサス‐活動調査は、全国の民営事業所を経営組織別に数えています。経営組織とは事業所を営んでいる主体の種類のことで、個人(個人事業主)、会社(株式会社や合同会社など)、会社以外の法人(医療法人・社会福祉法人・学校法人・協同組合・宗教法人など)の3つに分かれます。この区分で従業者数を数え直すと、地域ごとに「いちばん多くの人が勤めている先」が浮かび上がります。

この集計が数えているのは民営事業所です。役場や公立学校のように国と地方公共団体が直接運営する事業所と、公務は含まれません。

事業所の1割弱に、働く人の16%がいる

経営組織は organization_code で区分されていて、総数と内訳が同じ列に並びます。

コード 経営組織
0 総数(個人+会社+会社以外の法人)
1 個人
2 会社
3 会社以外の法人
S1 (別掲)外国の会社
S2 (別掲)法人でない団体

S1 と S2 は総数の内数を数え直した別掲で、総数と足すと二重に数えます。以下の集計はすべて、個人・会社・会社以外の法人の3区分によるものです。

全国の民営事業所は4,870,898か所、そこで働く従業者は55,700,098人です。事業所数で見ると会社が58.7%、個人が31.9%を占め、会社以外の法人は9.4%にとどまります。ところが従業者数では、会社以外の法人が16.0%を占めます。

1事業所あたりの従業者数は、会社以外の法人が19.4人で最も多く、会社の14.9人、個人の2.8人を上回ります。会社以外の法人は事業所の数こそ少ないものの、1か所あたりで多くの人を雇う組織です。なおこの表は、売上(収入)金額等の数値が得られた民営事業所を集計の対象にしているため、事業所に関する集計の民営事業所数とは母数が違います。

会社以外の法人はどの産業にいるのか

産業大分類ごとに、従業者数を経営組織で分けます。産業は大分類16区分に農林漁業を加えた17区分で、重複なく全産業を覆う組み合わせです。図は従業者数の多い産業から順に並べています。

会社以外の法人の比率が最も高いのは医療,福祉で72.4%、次いで教育,学習支援業が62.1%です。農林漁業の37.6%、複合サービス事業の34.5%がこれに続きます。逆に建設業は0.2%、製造業は0.6%、運輸業,郵便業は0.8%とほとんどが会社で、従業者数が最も多い卸売業,小売業でも2.6%です。医療,福祉と教育,学習支援業では、事業の担い手が医療法人・社会福祉法人・学校法人といった形を取ることが多く、それが構成比に表れています。

なお農林漁業だけは個人の値が入りません。経済センサス‐活動調査が農林漁業の個人経営を調査の対象外としているためで、この図でも農林漁業は会社と会社以外の法人の2区分になっています。

都道府県で2.2倍の開き

会社以外の法人が従業者に占める割合を、都道府県別に地図で見ます。色が濃いほど割合が高い地域です。

最も高いのは鹿児島県の25.0%で、長崎県24.6%、高知県24.3%、島根県23.7%と続きます。最も低いのは愛知県の11.5%、次いで東京都12.1%、静岡県13.3%、大阪府13.9%です。上位と下位ではおよそ2.2倍の開きがあります。上位には九州・四国・山陰の県が並び、下位には大都市圏を抱える都府県が入ります。

会社が最大の勤め先ではない37町村

市区町村の単位まで下ろすと、順位そのものが入れ替わる地域が現れます。この表が市区町村として持つのは1,719で、東京23区は「特別区部」として1つにまとめられています。そのうち、従業者数が最も多い経営組織が会社なのは1,670市区町村です。残るうち37町村では会社以外の法人が、12の市区町村では個人が最も多くなっています。

その37はすべて町または村です。会社以外の法人の割合が最も高いのは熊本県球磨村の63.5%で、青森県西目屋村61.1%、高知県大川村58.0%が続きます。この割合が50%を超える、つまり働く人の過半が会社以外の法人に勤めている町村は9つあります。最も高い球磨村は、令和2年7月豪雨で被災した翌年の時点を数えています。

37町村のうち28町村は、従業者数が1,000人に満たない小さな地域です。1,000人以上あるのは残る9町村で、福井県永平寺町の7,638人を筆頭に、石川県内灘町6,545人、奈良県三郷町4,190人、島根県邑南町3,636人、和歌山県高野町2,043人と続きます。会社が最大の勤め先ではないのは、人がほとんど住んでいない村に限った話ではありません。

図で見ると、これらの町村では個人経営も相応の厚みを持っています。沖縄県伊平屋村の33.3%を筆頭に、長崎県小値賀町と沖縄県粟国村がともに32.8%、奈良県御杖村が32.2%、群馬県南牧村が32.0%と、個人が3割を超える町村が並びます。会社・会社以外の法人・個人の3つが競り合っていて、どれか1つが圧倒しているわけではありません。

37町村で、会社以外の法人は何を担っているか

この37町村の会社以外の法人の従業者を、産業別に分けます。

医療,福祉が60.0%を占めます。教育,学習支援業が10.2%、農林漁業が8.9%、サービス業(他に分類されないもの)が8.1%、卸売業,小売業が4.5%と続きます。町村の規模では、病院や介護施設、保育所がそのまま地域で最大級の職場になります。

このことは、雇用対策の相手が地域によって変わることを意味します。誘致や創業支援が届く先は会社ですが、この37町村で最も多くの人を雇っているのは会社ではありません。人を増やすにも減らさないようにするにも、話をする相手は医療法人や社会福祉法人になります。

業務でどう使うか

  • 自分の市区町村について経営組織別の従業者数を出し、雇用の受け皿が会社に偏っているのか、会社以外の法人や個人に分散しているのかを確かめる
  • 会社以外の法人の比率が高いと分かったら、産業別の内訳まで下ろして、対象となる法人の種類(医療、福祉、教育、農林漁業など)を絞る
  • 近隣の町村と並べて雇用構造が似ている地域を探し、人材確保の施策や広域連携の相手を選ぶ材料にする
  • 個人経営の比率が高い地域では、事業承継の支援が雇用の維持に直結する。会社向けの施策だけでは届かない層の大きさを数字で示せる

データの出典

本記事は総務省・経済産業省令和3年経済センサス‐活動調査の産業横断的集計「売上(収入)金額等」を、2026年8月29日時点で集計しています。数値は2021年6月1日現在で、対象は民営事業所です。都道府県の地図は国土交通省の国土数値情報 行政区域データを使っています。

地域で誰が人を雇っているかは、産業の分類だけを見ていても分かりません。同じ医療,福祉でも、担い手が会社なのか会社以外の法人なのかで、話をする相手も使える制度も変わります。こうした分析の土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。総務省・経済産業省や国土交通省のオープンデータについて、列名・単位・地域や産業の階層を揃え、総数と内訳がどう並んでいるかをメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った産業別・経営組織別の事業所テーブルから、自分の担当する市区町村の経営組織別の従業者数を確かめられます。行政データの整備に時間を取られず、雇用対策の的を絞る判断そのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「e_stat.economic_census.establishment_industry で島根県邑南町(area_level が municipality)の従業者数を、産業大分類×経営組織別に出して。会社以外の法人がどの産業に集まっているか確かめて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: e_stat.economic_census.establishment_industry で島根県邑南町(area_level が municipality)の従業者数を、産業大分類×経営組織別に出して。会社以外の法人がどの産業に集まっているか確かめて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/non-company-employers.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
ターミナル(CLI)で始める
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参考 (この記事): https://queria.io/showcase/non-company-employers.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"

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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。