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人口で候補地を絞ると、世帯数が伸びる14市町村を取りこぼす——東京都の商圏を世帯数で測り直す

冷蔵庫も洗濯機も、ソファも通信回線も、必要な数は人数ではなく世帯数で決まります。それでも候補地の一次スクリーニングには人口が使われます。「人口が減っている地域は外す」という条件を東京都の住民基本台帳に当てると、何が落ちるのかを見ていきます。

人口で絞ると20が落ちるが、うち14は世帯数が増えている

外国人世帯の算入をまたがない2013年6月から2026年6月までの13年間で、62の区市町村を人口と世帯数の増減で分けました。

人口を条件にすると、破線より左の20自治体が落ちます。ところがそのうち14は、同じ13年間で世帯数が増えていました。赤い点がそれです。人口で切って落とした候補の7割は、世帯単位の需要では伸びている地域だったことになります。

両方減っているのは6自治体だけで、人口が増えて世帯数が減った自治体は1つもありません。人口を条件にした絞り込みは、世帯単位の商材にとっては候補を削りすぎる方向にしか外れません。

削りすぎの大きさは実数で出ます。落ちる14自治体を合計すると、13年間で人口は28,697人減った一方で、世帯数は64,410増えています。

この差が需要になります。4人が同居していれば冷蔵庫は1台ですが、その世帯が2つに分かれれば2台必要になります。人が1人も増えなくても、世帯が分かれるだけで台数は増えます。増えた64,410世帯は、それぞれが冷蔵庫と洗濯機、回線契約を1つずつ持ちます。人口が2万9千人減ったという事実からは、この64,410件は出てきません。

では、落ちるのはどこでしょうか。

落ちるのは多摩地域に集まっている

いちばん上は八王子市です。人口は0.82%減った一方で、世帯数は14.1%増えています。291,158世帯は都内62区市町村で9番目の規模で、これが人口の条件だけで候補から外れます。本土部の残り8つも同じで、武蔵村山市13.3%増、瑞穂町12.0%増、あきる野市11.7%増、青梅市10.6%増、東村山市10.4%増、福生市9.6%増、羽村市7.7%増、日の出町4.3%増と続きます。残る5つは利島村・青ヶ島村・神津島村・小笠原村・御蔵島村で、人口が百数十人から数千人の島しょ部です。

落ちる自治体がどこにあるかを、国土数値情報の行政区域データの境界に重ねました。

赤が人口減・世帯増、灰色が人口も世帯数も減った自治体です。赤の9つはすべて多摩地域で、区部は1つもありません。都の西端にある灰色の奥多摩町と檜原村とは隣り合っていて、本土部だけで見ると人口の条件で落ちるのは11自治体、そのうち9で世帯数が増えていました。候補に残すべき地域と本当に縮んでいる地域が、多摩の西側で隣り合っています。

差を作っているのは、世帯規模の縮小

世帯数は人口を1世帯あたり人員で割った値です。分子が減っても、分母がそれより速く縮めば、割り算の答えは増えます。

青梅市がそうなっています。人口は7.2%減った一方で、1世帯あたり人員は2.28人から1.91人へ16.1%縮みました。分母の縮み方が分子より8.9ポイント大きいので、世帯数は10.6%増えます。実数では人口が138,339人から128,407人へ9,932人減り、世帯数は60,670から67,116へ6,446増えました。

逆向きの例もあります。62自治体で1世帯あたり人員が拡大したのは中央区だけ(1.73人→1.76人)で、中央区は人口の伸び47.0%に対して世帯数の伸びが44.8%と、唯一世帯数のほうが小さくなっています。分母が縮まなければ、世帯数は人口を追い越しません。

分母が地域ごとに違う速さで縮んでいるなら、その水準そのものも地域で違うはずです。

同じ商圏人口でも、世帯数は1.4倍違う

商圏人口を世帯数に直す係数が、この1世帯あたり人員です。2026年6月時点の値を62区市町村で並べました。

最も大きいのは稲城市の2.14人で、区部で最も小さいのは新宿区の1.51人です。同じ商圏人口を抱えていても、この2つでは世帯数がおよそ1.4倍違います。人口あたりの売上原単位を都内で横並びに使うと、この分だけ狂います。上位は稲城市・日の出町・武蔵村山市と多摩地域の市町が占め、区部では新宿区に次いで中野区と豊島区がともに1.55人です。全体では青ヶ島村の1.38人まで開きますが、こちらは115世帯の村です。

ただし、この値がそろえば同じ商圏というわけでもありません。世帯が小さい理由には、単身世帯が多い場合と、高齢の夫婦だけが残った場合の両方があります。

1世帯あたり人員が同じでも、中身は逆になる

令和2年国勢調査の家族類型を重ね、縦軸に親族世帯以外(単身と非親族)の割合、点の色に65歳以上の世帯員がいる世帯の割合を置きました。

杉並区と檜原村はどちらも1世帯あたり1.71人ですが、親族世帯以外の割合は杉並区59.5%、檜原村36.7%です。65歳以上の世帯員がいる世帯は杉並区24.1%に対し檜原村70.7%で、檜原村の小さな世帯は高齢の夫婦や一人暮らしの高齢者が中心だと考えられます。1世帯あたり人員が最大の稲城市(2.14人)と2番目の日の出町(2.09人)も、65歳以上のいる世帯は32.3%と54.3%で20ポイント以上離れます。

単身と非親族を合わせた割合が区部で最も高いのは新宿区の68.6%で、渋谷区66.5%・豊島区65.0%が続きます。一人暮らし向けの商材なら、この3区が有力な候補になります。

世帯規模が同じでも中身が違うのなら、候補地の評価は1つの指標では決まりません。

商圏をどう測るか

ここまで見てきたことを、候補地を評価する順番に置き直すと3段になります。

  1. 一次スクリーニングの条件を人口から世帯数に替える。人口が減っていても世帯数が増えている地域は候補に残す
  2. 商圏人口から世帯数を見積もるときは、地域ごとの1世帯あたり人員で割る。人口あたりの売上原単位を都内で横並びに使わない
  3. 世帯規模が近い候補地どうしは、親族世帯以外の割合と65歳以上のいる世帯の割合まで見て品揃えを分ける。この2つは5年ごとの国勢調査が出どころなので、直近の変化は世帯規模の動きで補う

このデータの読み方と注意点

分かるのは住民登録の状態だけで、単身赴任や学生の住民票の置き方によって世帯数は実態とずれます。増減率は2012年8月の外国人世帯算入をまたがないよう2013年6月を起点にし、地図は本土部の53区市町村に絞りました(島しょ部の9町村は同じ縮尺に収まらないため。散布図とランキングには含まれます)。人口が減って世帯数が増えた14自治体のうち5つは人口が百数十人から数千人の島しょ部で、数十世帯の異動で増減率が大きく動きます。家族類型は2020年10月時点の調査で住民基本台帳の2026年6月とは5年8か月の開きがあり、この表(小地域の世帯の家族類型)に単独世帯の行がないため一般世帯総数から親族世帯を引いた値を単身と非親族の合計として扱っています。集計は2026年7月時点のカタログから取得したものです。

人口で候補地を絞るか世帯数で絞るかは、東京都の場合14自治体の当落を変えます。Queriaは行政のオープンデータを整えた形で公開していて、東京都が月ごとに分けて出している世帯と人口も1つのテーブルにまとめてあります。本記事で使った東京都の世帯と人口テーブルと国勢調査の家族類型テーブルから、担当エリアの当落をそのまま確かめられます。データを集めて突き合わせる手間をかけずに、出店判断に時間を使えます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「metro_tokyo.stats.resident_population から、2013年6月と2026年6月で人口が減って世帯数が増えた区市町村を出して、同じ条件を東京都以外の都道府県でも確かめて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: metro_tokyo.stats.resident_population から、2013年6月と2026年6月で人口が減って世帯数が増えた区市町村を出して、同じ条件を東京都以外の都道府県でも確かめて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/tokyo-household-screening.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
ターミナル(CLI)で始める
claude "Queria の公開データで次を分析してください: metro_tokyo.stats.resident_population から、2013年6月と2026年6月で人口が減って世帯数が増えた区市町村を出して、同じ条件を東京都以外の都道府県でも確かめて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/tokyo-household-screening.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"

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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。