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1日500人に満たない駅は13年で乗り降りが3割近く減り、減り始めたのはコロナの前だった

郊外や地方都市で出店候補地を探すとき、駅前は最初に見る場所のひとつです。その駅を1日に何人が使っているかは、候補地を絞る材料として広く使われています。ただ、その数字は今の断面であって、その駅が長い時間の中でどちらに向かっているかまでは教えてくれません。

国土交通省は駅別乗降客数データとして、全国の鉄道駅の1日あたり乗降客数を2011年度から2024年度まで公表しています。この14年分を1枚に並べると、駅は全体としてひとつの方向に動いていたのではなく、駅の大きさによって正反対の方向に動いていました。

全国の駅を14年分そろえる

このデータは、鉄道事業者が提供した資料をもとに、駅ごと・年度ごとの1日あたり乗降客数(passenger_count)を収めています。国土数値情報の駅データと同じ駅コード(station_code)を持ち、事業者名(operator)・路線名(line_name)・駅の代表点(geometry)が付いています。

年度によって公表される駅の顔ぶれが変わるため、ここでは2011年度から2024年度までの14年度すべてで数字がそろっている6,193駅だけを取り出し、この同じ顔ぶれで全期間を通します。乗降客数の合計は次のように動いていました。

2011年度の10,458万人から2019年度には11,569万人まで10.6%増え、2020年度に8,088万人へ落ち込み、2024年度は10,508万人まで戻りました。2024年度の水準は2011年度の100.5%、2019年度の90.8%にあたります。合計だけを見れば「13年かけて元の水準に戻った」という一本の線です。

駅の大きさで動きが分かれている

合計は、大きな駅の増減に強く引かれます。6,193駅のうち2011年度時点で1日5万人以上だった駅は479駅、全体の8%に満たない数ですが、1駅あたりの人数が桁違いに大きいためです。そこで、駅を1駅ずつ見た動きを取り出します。2011年度の乗降客数で駅を5つの階級に分け、それぞれの駅について2011年度を100とした指数を計算し、階級ごとにその中央値をとります。中央値は「その階級の真ん中にいる駅」の姿を表します。

階級(2011年度の1日あたり乗降客数) 駅数
500人未満 1,906
500〜2千人 1,197
2千〜1万人 1,312
1万〜5万人 1,299
5万人以上 479

乗降客数は各鉄道事業者が独自に算出した値で、事業者をまたいで統一された基準はありません。そのため駅どうしの水準を横に比べるのではなく、同じ駅の同じ算出方法での前後の動きを見ています。

2020年度の落ち込みは5つの階級すべてに現れます。分かれているのは、その前と後です。

コロナ前の8年間、1日500人未満の駅だけが下を向いていました。2019年度の指数は89.7で、2011年度から1割以上減っています。500〜2千人の駅は100.0でちょうど横ばい、2千〜1万人は105.5、1万〜5万人は109.1、5万人以上は109.8と、規模が大きいほど伸びていました。同じ8年間に、小さな駅は客を失い、大きな駅は1割増やしていたことになります。

2024年度の姿はさらに開いています。1万〜5万人の駅は101.4と2011年度を上回り、5万人以上は98.7、2千〜1万人は97.7とほぼ戻りました。一方で500〜2千人の駅は88.6、500人未満の駅は72.1です。500人未満の駅の中央値は2021年度の69.0を底にしたあと、2022年度73.5・2023年度72.2・2024年度72.1と、3年間ほとんど動いていません。他の階級が2022年度以降も上がり続けているのに対し、この階級だけが戻り切らないまま平らになっています。

コロナは小さな駅の減少を深くしましたが、始めたわけではありませんでした。2011年度からの13年で、真ん中にいる小さな駅は乗り降りする人の3割近くを失っています。

県によって「真ん中の駅」の姿が違う

駅の大きさによる違いは、地域の違いとしても現れます。駅の代表点を行政区域データの都道府県ポリゴンに重ね、県ごとに「2024年度の指数(2011年度=100)」の中央値を求めます。14年度すべてで数字がそろう駅が20に満たない県は、中央値が数駅で決まってしまうため図から外し、42都道府県を並べています。期間の途中で公表が途切れた駅もパネルから外れるので、非公開や未集計の年がある駅の多い県ほど、残った駅だけの姿になります。

100を超えているのは愛知県(111.2)・茨城県(108.4)・北海道(104.5)・東京都(103.3)・千葉県(103.2)・京都府(101.6)・福岡県(101.6)・大阪府(101.0)の8都道府県です。この図に載せた42都道府県のうち、県内の真ん中の駅が2011年度の水準に戻っているのはこの8つだけです。

下の端には高知県(59.2)・福井県(61.4)・佐賀県(67.3)・新潟県(68.0)・徳島県(68.5)が並びます。高知県では166駅の中央値が59.2で、真ん中の駅は13年で乗り降りする人の4割を失った計算になります。上位と下位ではおよそ1.9倍の開きです。

先の階級別の図と重ねると、県の位置は、その県の駅がどの階級に多く属しているかを映したものと考えられます。県内の駅の顔ぶれが小さな駅に寄っているほど、県の中央値も低い位置に来ます。

出店候補地の評価にどう使うか

今の乗降客数と一緒に、その駅の14年分を並べると、候補地の見え方が変わります。

  • 候補駅の指数を作る: 対象駅の2011年度と直近年度を取り出して比を計算すると、同じ規模の駅の中でその駅が上振れているのか下振れているのかが分かります。今日の乗降客数が同じ2つの駅でも、2011年度から積み上げてきた駅と、かつての水準から落ちてきた駅では、これから見込める客数が違います
  • 沿線単位で見る: line_name で絞れば、路線全体が伸びているのか、特定の駅だけが伸びているのかを切り分けられます。沿線が全体に下を向いているなら、駅前区画の空き待ちより車での来店を前提にした立地を検討する材料になります
  • 撤退・改装の優先順位を付ける: 既存店の最寄り駅を一覧にして指数の低い順に並べると、まだ売上に出ていない集客基盤の弱まりを先に拾えます
  • 出店先の県を絞る: 県別の中央値が100を割っている県では、駅前型の標準フォーマットがそのままでは当たらない可能性があります。県の中でどの規模の駅なら伸びているかを確かめてから、区画を探す順序を決められます

データの出典

本記事は国土交通省の国土数値情報 駅別乗降客数データ(2024年度版)を2026年8月13日時点で集計しています。数値はすべて年度の1日あたり乗降客数で、原典は各鉄道事業者の提供資料です。都道府県への割り当てには同じく国土数値情報の行政区域データを使っています。

駅の乗り降りは、その駅前で商売が成り立つかどうかを左右する条件のひとつです。それが駅の大きさによって10年以上前から逆方向に動いていたことは、1年分の数字を見ているだけでは分かりません。こうした比較の土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。国土数値情報をはじめとする官公庁のオープンデータについて、年度ごとに列が分かれていた元データを1つの表に縦持ちで並べ直し、列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った駅別乗降客数テーブルから、担当エリアの駅を名前で引いて14年分の並びを確かめたり、沿線ごとにまとめて眺めたりできます。データの整備に時間を取られず、どの区画を見に行くかの判断そのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「nlftp.railway.station_passenger から、路線名(line_name)に「常磐線」を含む駅の2011年度と2024年度の乗降客数を駅ごとに出して、増減率の大きい順に並べて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: nlftp.railway.station_passenger から、路線名(line_name)に「常磐線」を含む駅の2011年度と2024年度の乗降客数を駅ごとに出して、増減率の大きい順に並べて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/small-station-passenger-decline.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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参考 (この記事): https://queria.io/showcase/small-station-passenger-decline.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"

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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。