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ドラッグストアで売れる食品の量が増えたのは、店が増えたからだった

食品メーカーで販路の配分を考える担当者にとって、自社の商品がどの売り場で、どういう理由で売れていくのかは、商談の優先順位や営業担当の割り振りを決める前提になります。「ドラッグストアで食品を買う人が増えた」という実感は多くの人が持っていて、ドラッグストア各社が食品の品ぞろえを広げていることもよく知られています。ただ、その伸びが1つの店で食品がよく売れるようになったからなのか、店の数が増えたからなのかは、業界全体の販売額を見ているだけでは分かりません。ここ数年は食品の値上げも続いたので、販売額の伸びには値札の変化も混ざっています。

この記事では、経済産業省の商業動態統計が公表しているドラッグストアの食品の販売額と店舗数を、総務省の消費者物価指数の食料の指数と組み合わせ、値上がり分と店の数を切り分けます。結論を先に書くと、ドラッグストアで売れる食品の量は確かに増えましたが、その大半は店が増えた分で、値上がり分を除いた1店あたりの量は2022年から2025年まで横ばいでした。

1店あたりの量は、2022年から横ばい

商業動態統計は、ドラッグストアの商品別の販売額と店舗数を毎月公表しています。調査の対象は、ドラッグストアを50店舗以上持つか、ドラッグストアの年間販売額が100億円以上の企業です。店舗数はその企業が持つ店の数で、業界全体の店舗数ではありません。ここでは商品区分のうち「食品」を使い、店舗数は各月末の値を年ごとに平均しました。物価は消費者物価指数(2020年=100)の「食料」(0002)です。

次の図は、2019年を100として、食品の販売額、それを食料の物価で割った値(値上がり分を除いた量の目安)、店舗数、値上がり分を除いた1店あたりの量を描いたものです。ドラッグストアの統計は2019年1月の見直しより後には調査範囲の見直しによる段差が無いので、2019年から描いています。

2025年の食品の販売額は2019年の1.65倍(指数165.2)ですが、同じ期間に食料の物価も127.5まで上がっているので、値上がり分を除いた量は129.6で、約3割の増加です。店舗数は16,056店から20,130店へ増え、指数は125.4でした。量の伸びのほとんどは、この店の数の伸びで説明できます。

値上がり分を除いた1店あたりの量は、新型コロナの流行が始まった2020年に106.9まで上がったあと下がり、2022年と2025年はどちらも103.4で、その間も103〜106の範囲にあります。物価には外食や酒類も含む「食料」の指数を使っているので、ドラッグストアが売る食品の値上がり幅とは一致せず、この横ばいは量の目安です。2022年から2025年に食料の物価が2割上がるあいだ、1店あたりの食品の販売額も同じだけ伸びた(指数109.5→131.8)ことになり、1つの店で売れる量は増えていません。

店舗数と販売額は調査対象の企業が持つ店の合計なので、新しく開いた店だけでなく、対象企業が他社の店を買い取った分も増加として出ます。ここで言う「店が増えた」は、新規出店と買収の両方を含みます。

4つの業態で、値上がり分を超えて伸びたのはドラッグストアだけ

1店あたりが横ばいでも、店の数が増えた分だけ、ドラッグストア全体で売れる食品の量は増えています。ほかの業態と比べるとどうでしょうか。商業動態統計が食品の販売額を公表している4つの業態で、食品にあたる項目を並べます。

業態 使う項目 調査の対象
ドラッグストア 食品 ドラッグストアを50店舗以上持つか、年間販売額が100億円以上の企業
スーパー 飲食料品 従業者50人以上で、売場面積1,500㎡以上・売場の半分以上がセルフサービスの事業所
コンビニ FF・日配食品 と 加工食品 の合計 コンビニを500店舗以上持つ企業
百貨店 飲食料品 従業者50人以上で、売場面積1,500㎡以上(東京23区と政令指定都市は3,000㎡以上)の事業所

ここでの「スーパー」は売場面積1,500㎡以上の大型店だけで、それより小さい食品スーパーは入っていません。ネット通販や個人商店もこの4つには含まれないので、以下は食品の売り場全体ではなく、この4つの業態どうしの比較です。

次の図は、2022年1〜12月の販売額を100として、各月までの12か月間の販売額の合計を描いたものです。破線は食料の物価指数を同じく12か月で平均したものです。4つの業態の統計に調査範囲の見直しによる段差が無い期間にそろえるため、2022年を起点にしています。

直近の12か月(2025年8月〜2026年7月)の販売額は、ドラッグストアが138.2、スーパーが114.3、コンビニが114.1、百貨店が99.9で、食料の物価は122.9でした。2023年3月以降、物価の線より上を通っているのはドラッグストアだけで、スーパーとコンビニの線は2023年1月から一度も物価の線を上回っていません。

暦年で区切り、2022年から2025年の販売額の伸びと、それを食料の物価の伸びで割った値を並べると次のとおりです。食料には外食も含まれるので、各業態が売っている品目の値上がり幅とは一致しません。割った値は量の目安として読んでください。

この3年で食料の物価は20.4%上がりました。スーパーとコンビニの食品の販売額はどちらも13.1%伸びましたが、物価の伸びで割るとスーパーは6.1%減、コンビニは6.0%減です。百貨店は販売額が0.2%減で、値上がり分を除くと17.1%減でした。販売額が物価を上回って伸びたのはドラッグストア(34.1%増)だけで、値上がり分を除いても11.4%増えています。

2025年の食品の販売額は、スーパーが13兆6,428億円、コンビニが8兆5,811億円、ドラッグストアが3兆2,081億円、百貨店が1兆6,124億円です。ドラッグストアの食品は、百貨店の食品の約2倍の規模になっています。

ドラッグストアの売上の3分の1は食品

ドラッグストアの側から見ると、食品は売上の中でどれくらいの重みを持つのでしょうか。次の図は、2025年のドラッグストアの商品販売額を、統計の9つの商品区分に分けたものです。

食品は3.21兆円で、ドラッグストアの商品販売額の34.1%を占めます。2番目の家庭用品・日用消耗品・ペット用品(13.4%)の約2.5倍、OTC医薬品(1.04兆円)の約3倍で、調剤医薬品とOTC医薬品を合わせた医薬品全体(21.4%)よりも多く売れています。健康食品は食品とは別の区分(3.1%)です。

販路の見直しにどう使えるか

  • ドラッグストア向けの販売計画では、既存の取引先の店で売れる量が年々増えることを前提にしないほうが安全です。量を増やしてきたのは店の数なので、自社の商品を取り扱う店の数をどれだけ広げられるかが、販売量の伸びを左右します
  • 取引先のチェーンが出店や買収で店を増やしている間は、その分だけ量が伸びます。月次で公表される店舗数を追えば、店の増え方が鈍った時点で、ドラッグストア向けの計画を見直す合図にできます
  • 自社の業態別の出荷額を2022年から並べ、この記事の業態別の販売額の伸びと比べると、どの業態で市場の伸びについていけていないかが分かります。値上げをした商品なら、出荷額の伸びを自社の値上げ幅で割り、値上がり分を除いた伸びと比べます

データの出典

本記事は、経済産業省商業動態統計の業態別・商品別の月次販売額と店舗数、総務省統計局消費者物価指数(2020年基準・全国)の食料の指数を、2026-09-25時点で集計しています。販売額は2026年7月分までを使っています。

販売額が伸びているという事実の中身は、物価と店舗数を並べて初めて、値上がり・店の数・1店あたりの量に分けて見えてきます。こうした分析の土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。業態ごとに別々の表で配られている販売額と店舗数を1つのテーブルにそろえ、物価指数も品目・地域・時点を列として扱える形にして、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。本記事で使った業態別・商品別販売額テーブルと消費者物価指数テーブルから、自社の商品に近い品目の物価で割り直したり、最新の月まで線を延ばしたりできます。統計の整理に時間を取られず、販路の配分を決めることそのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「ドラッグストアの商品区分ごとに、2019年から2025年の1店あたりの販売額の伸びを出して、食品と比べて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: ドラッグストアの商品区分ごとに、2019年から2025年の1店あたりの販売額の伸びを出して、食品と比べて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/drugstore-food-volume-growth.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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参考 (この記事): https://queria.io/showcase/drugstore-food-volume-growth.md
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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。