都道府県別の出火率と火災死亡率 — 火災保険の地域別リスク評価データ

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火災保険の料率設計や引受審査では、地域ごとの出火率・損害動向を継続的に把握することが欠かせません。建物の防火構造や消防体制が地域によって異なるため、同じ補償でも実態リスクには差が生じます。

この記事では、e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別データを使って、1975年度から2023年度までの火災発生件数・死亡者数・損害額を整理します。損害保険会社の商品設計担当者が地域別リスクを比較する際の出発点となるよう、SQLで再現可能な集計に落とし込みました。

使用データ

このデータは e-Stat「社会・人口統計体系」 の都道府県別の K「安全」テーブル(k_pref_safety)から取得しています。火災に関する代表的な指標は以下です。

コード内容
K2101出火件数
K2102建物火災出火件数
K2105火災損害額(千円)
K2110火災死亡者数

人口あたりの率を計算する際は、同じ e-Stat の都道府県別人口テーブル(a_pref_populationA1101_総人口)を組み合わせます。出典の都合上、年度区切り(4月始まり)で記録されています。

全国の出火件数と死亡者数の推移

まず、都道府県の合計値から、全国の出火件数の長期推移を確認します。

出火件数は1975年度の約6.2万件から2023年度の約3.9万件へと、約50年で4割弱減少しました。住宅の不燃化、ストーブやコンロの安全装置の普及、住宅用火災警報器の義務化などが背景にあると考えられます。

次に、同じ期間の火災死亡者数を見ます。

死亡者数は出火件数ほどには減っていません。1975年度の1,666人に対し、2023年度は1,502人と、減少幅は1割程度にとどまります。出火件数の減少が顕著な一方で、火災1件あたりの死亡リスクは下がっていない可能性が示唆されます。

出火1件あたりの致死性

両者の関係を「出火1,000件あたりの死亡者数」として可視化します。

1970年代に出火1,000件あたり25〜32人前後だった死亡者数が、2010年代以降はおおむね35〜40人前後で推移しています。出火件数全体の減少と並行して、残された火災の致死性が高まっていることを示します。高齢者の単身世帯増加や深夜帯の出火比率など、火災そのものの構成変化が背景として考えられます。火災保険の人身被害補償や、自治体の住宅用火災警報器・スプリンクラー普及策の費用対効果を議論する際の参考になります。

都道府県別の出火率(人口10万人あたり、2023年度)

ここからは地域差を見ます。出火件数を人口で割って正規化し、都道府県別の発生率を比較します。上位10、中間27、下位10で色分けしました。

最上位の茨城県(49.03件)と最下位の富山県(17.68件)では約2.8倍の差があります。茨城・山梨・大分・栃木・山口など、可住地に比して住宅が散在し、たき火や野焼きの機会が多い地域が上位に並ぶ傾向があります。一方、大阪府・神奈川県・京都府・富山県など、都市部や消防インフラが密に整備された地域は下位に集中しています。

人口あたりという正規化を行っても2.8倍の差が残ることは、引受料率の地域区分や、再保険料率の見直しを行う際の出発点として無視できない大きさです。

都道府県別の火災死亡率(人口10万人あたり、2023年度)

次に、火災死亡者数を人口で正規化したランキングです。

最上位の青森県(3.89人)と最下位の滋賀県(0.57人)では約6.8倍の開きがあり、出火率の地域差(2.8倍)を大きく上回ります。東北(青森・岩手・福島・秋田)、北陸(富山・福井)、中国地方(山口・岡山)など寒冷地や高齢化率の高い地域が上位に並び、東京都・神奈川県・大阪府などの大都市圏は下位に位置します。

出火率の上位(茨城・山梨・大分)と死亡率の上位(青森・岩手・和歌山)は重ならず、火災の起きやすさと一件あたりの致死性は別のメカニズムで決まることが示唆されます。人身傷害の補償設計や、高齢単身世帯向けの火災予防プログラムを地域別に展開する際の優先順位付けに使えます。

火災損害額の推移

最後に、全国の火災損害額(千円ベース、億円に換算)の長期推移です。2005年度以降のデータが収録されています。

2005年度の約1,301億円から2023年度の約942億円まで、長期的には減少基調にあります。一方、2020年度から2022年度にかけて1,000億円台に戻る局面もあり、年ごとの振れ幅は小さくありません。大規模火災の発生有無や物価変動の影響を受けやすいため、地域別・建物用途別に分解した時系列で監視する価値があります。

業務への活用

ここまでの集計から、火災保険の引受・料率設計、自治体の防火政策のいずれにも示唆が得られます。

  • 引受料率の地域区分: 人口10万人あたりの出火率と火災死亡率を都道府県別に揃えて、現行料率の妥当性を点検する出発点として使えます
  • 損害率の中期予測: 出火件数は長期的に減少が続く一方、致死性と損害額はそれぞれ別の動きをするため、ライン別に時系列を分けて追う必要があります
  • 自治体の防火施策評価: 上位県と下位県を住宅用火災警報器の設置率・建物の不燃化率など別データと組み合わせ、施策効果の検証に展開できます
  • 商品設計のターゲティング: 高齢単身世帯向けの火災・人身傷害特約は、死亡率が上位の県でニーズが高い可能性があります

年度や対象cat01を差し替えれば、火災以外の安全指標(救急出動、災害被害など)にも同じパターンで分析を広げられます。

本記事はAIを活用して作成し、編集部が内容を確認しています。記事内のSQLを実行してデータをご自身で検証いただけます。