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7軒に1軒が空き家――空き家率は45年で1.8倍、都道府県格差は2倍以上

総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年の日本の空き家率——総住宅数に占める空き家の割合——は13.8%と過去最高を更新しました。「7軒に1軒が空き家」という状況が現実になっています。

2023年12月には、空家等対策の推進に関する特別措置法の改正法が施行され、放置された空き家を「管理不全空家等」として位置づける仕組みが加わりました。

この記事では、e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別住宅データを使って、空き家率の長期推移と地域差に加えて、率では見えない空き家の戸数と、直近5年の増減を見ます。

空き家率は45年で1.8倍、戸数は3.4倍

使うのは「居住」分野の3つの指標です。いずれも単位は戸で、10月1日現在の値です。

コード 内容
H1100 総住宅数
H1101 居住世帯あり住宅数
H110202 空き家数

空き家率は 空き家数(H110202)÷ 総住宅数(H1100)× 100 で計算します。もとになる住宅・土地統計調査は5年ごとの調査で、この3指標はいずれも1978年から2023年までの10時点が収録されています。

1978年に7.6%だった空き家率は、2023年には13.8%と1.8倍に上昇しています。1993年の9.8%から1998年の11.5%へ上がった1990年代後半の伸びが最も大きく、2008年以降は13%台で推移しています。

ただし空き家率は割合なので、分母である総住宅数も一緒に増えていれば上がり方はゆるやかに見えます。総住宅数・居住世帯あり住宅数・空き家数の3つを、1978年を100とした指数で並べます。

2023年の指数は、総住宅数が183.5、居住世帯あり住宅数が172.9に対して、空き家数は336.0です。戸数でみると空き家は1978年の2,679,200戸から2023年の9,001,600戸に増えています。空き家率が1.8倍にとどまるのは、分母の総住宅数も45年で1.8倍になったためで、空き家として数えられた住宅そのものは3.4倍に増えています。

この調査でいう空き家には、賃貸用の空き家・売却用の空き家・別荘などの二次的住宅・それらを除く空き家の4区分が含まれます。放置されて問題になるのは主に「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」ですが、この内訳は h_pref_housing には収録されていないため、以下の数字はいずれも4区分の合計です。なお、そのままでは住めない「廃屋」は調査上の住宅に含まれないので、空き家にも入っていません。

都道府県別の空き家率(2023年)

空き家率は全国一律ではありません。2023年の値を47都道府県すべてで並べます。

徳島県(21.3%)と和歌山県(21.2%)が上位2県で、いずれも「5軒に1軒が空き家」という水準です。続いて鹿児島県(20.5%)、山梨県(20.4%)、高知県(20.3%)、長野県(20.1%)が並びます。上位10県には徳島県・高知県・愛媛県(19.8%)・香川県(18.6%)と四国4県がすべて入っています。

上位10県の残りは山口県(19.4%)と大分県(19.1%)です。最も低いのは埼玉県(9.3%)で、沖縄県(9.4%)、神奈川県(9.8%)、東京都(10.9%)、千葉県(12.3%)と、首都圏の1都3県が下位10県にそろいます。最高と最低の差は2.3倍です。

住宅・土地統計調査は全数調査ではなく、国勢調査区から抽出した単位区を対象とする標本調査です。都道府県別の値は推計値なので、徳島県と和歌山県の0.1ポイント差のような隣り合う順位の上下は、このデータだけでは確かなことと言えません。

空き家率の分布を地図で見る

都道府県別の空き家率を地図上に可視化します。

濃い色の10県は、四国4県が海を挟んで隣り合うほかは、和歌山県・山梨県・長野県・鹿児島県・大分県・山口県と互いに離れています。淡い10県は、関東南部の1都3県が続くほかは、愛知県・京都府・滋賀県・福岡県・宮城県・沖縄県と互いに離れています。

空き家が最も多いのは東京都の896,500戸

同じ2023年のデータを、率ではなく空き家の戸数で並べ直します。

最も多いのは東京都の896,500戸で、空き家率では44位です。次いで大阪府701,900戸(率34位)、神奈川県467,100戸(率45位)、北海道451,900戸(率25位)と続きます。空き家率が最も低い埼玉県も、戸数では330,400戸で9位に入ります。

空き家率の上位5県は、戸数ではこうなります。

空き家率1位の徳島県は83,000戸で戸数では37位、5位の高知県は78,700戸で39位です。3位の鹿児島県だけが184,200戸で14位と上位に入ります。

直近5年の増減は、首都圏の中でも向きが割れている

全国の空き家は2018年の8,488,600戸から2023年の9,001,600戸へ、5年で513,000戸増えました。増加率は6.0%ですが、総住宅数も同じ期間に増えているため、空き家率は13.6%から13.8%への0.2ポイントの上昇にとどまっています。都道府県別に、この5年の空き家数の増減率を並べます。

図の増減率は標本による推計値どうしを引いた値なので、小さい増減は誤差と区別できません。総務省が公表する推定値の大きさ別標準誤差率の「都道府県」シート(甲・乙両調査票)を、各県の2018年と2023年の空き家数の大きさに対数補間で当て、両年の誤差を独立と見て合成して1.96倍します。2023年調査の表を2018年の推計にも当てた近似です。こうして出した増減率の95%の区間は、県によって±2ポイント台(大阪府)から±8ポイント台(鳥取県)まで開きます。

この区間を超えて動いたのは47都道府県のうち34県で、そのうち32県は増加です。減ったのは埼玉県(-4.6%)と神奈川県(-3.6%)の2県だけで、沖縄県(-3.7%)・山梨県(-3.1%)・大阪府(-1.1%)・茨城県(-0.5%)の減少は区間の内側にあります。

同じ首都圏でも東京都は10.7%増えています。空き家の戸数が全国で最も多い都県が、5年で809,900戸から896,500戸へさらに増えたことになります。総住宅数の増え方は東京都6.9%、神奈川県5.8%、埼玉県5.0%とどれも似た水準なので、住宅がどれだけ増えたかだけでは向きの違いに行き当たりません。増加が最も大きいのは北海道(19.0%)、大分県(18.2%)、福井県(18.0%)、富山県(16.2%)、秋田県(14.3%)です。空き家率でみると北海道と福井県は15.6%、富山県は14.7%、秋田県は15.8%で、いずれも47都道府県の中位にあたります。大分県だけは空き家率19.1%と上位で、水準の高さと増え方の両方が上位に来ています。秋田県は総住宅数が1.1%減るなかで空き家が14.3%増えました。

神奈川県は総住宅数が261,500戸増えたのに対し、居住世帯あり住宅数は271,500戸増えました。埼玉県も170,400戸に対して181,700戸です。増えた住宅の数を上回って住む世帯が入り、空き家は減っています。東京都は総住宅数が529,800戸増えたのに対し、居住世帯あり住宅数の増加は429,900戸で、差はおよそ10万戸、うち86,600戸が空き家の増加です。千葉県も161,300戸に対して147,100戸で東京都と同じ向きで、空き家は3.0%増えています(増減率は誤差の区間の内側です)。全国では総住宅数の2,639,300戸増に対して居住世帯あり住宅数の増加は2,048,700戸でした。住宅の増え方がほぼ同じ4都県で向きが分かれたのは、住む世帯の増え方が住宅の増え方に届いたかどうかの違いでした。

なお2018年の調査は、福島第一原発事故の避難地域(大熊町・双葉町の全域と、南相馬市・富岡町・浪江町・葛尾村・飯舘村の一部)が抽出の対象から外れています。福島県の2018年から2023年の増減には、この地域が対象に戻ったぶんが含まれます。

データの出典

本記事は e-Stat 社会・人口統計体系(総務省統計局)の e_stat.ssds.h_pref_housing を 2026-09-04 時点で集計しています。使った分類コードは総住宅数が H1100、居住世帯あり住宅数が H1101、空き家数が H110202 で、いずれも単位は戸、収録は1978年から2023年までの10時点です。元データは総務省統計局の住宅・土地統計調査で、5年ごとに10月1日現在、国勢調査区から抽出した単位区を対象に実施される標本調査です。都道府県別の値は全数ではなく推計値になります。指標の定義は項目定義 H 居住によります。空き家の4区分の名称は2023年調査の結果で整理されており、本文では新しい名称を使っています。増減の判定に使った標準誤差率は同じ調査の推定値の大きさ別標準誤差率によります。地図の県境は国土交通省の国土数値情報 行政区域データ(nlftp.boundary.prefecture)で、描画のため ST_Simplify で簡略化しています。都道府県別の集計では、同じテーブルに混在する「全国」の行を除いています。

まとめ

  • 全国の空き家率は1978年の7.6%から2023年の13.8%へ45年で1.8倍。分母の総住宅数も1.8倍になっているため、空き家の戸数は2,679,200戸から9,001,600戸へ3.4倍に増えている
  • 2023年の空き家率は徳島県の21.3%から埼玉県の9.3%まで2.3倍の開きがある。上位10県には四国4県がすべて入り、下位10県には首都圏の1都3県がそろう
  • 空き家が最も多いのは東京都の896,500戸で、空き家率では44位。空き家率1位の徳島県は83,000戸で戸数では37位
  • 2018年から2023年で全国の空き家は513,000戸増えた。標本誤差を超えて動いた34県のうち32県は増加で、減ったのは埼玉県(-4.6%)と神奈川県(-3.6%)の2県だけ。同じ首都圏の東京都は10.7%増えている。総住宅数の増え方は東京都6.9%・神奈川県5.8%・埼玉県5.0%と近く、向きを分けたのは居住世帯あり住宅数の増え方のほう

全国の空き家率という1つの数字を眺めているだけでは、隣り合う県で空き家が反対を向いていることも、その違いが世帯の増え方から来ていることも見えません。Queriaは、こうした官公庁のオープンデータを整えた形で公開しています。列名・単位・文字コードを揃え、カテゴリコードや項目の意味をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った都道府県別の住宅・空き家テーブルから、関心のある地域の空き家率と戸数を追えます。データ整備に時間を取られず、空き家対策の検討そのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「空き家数(H110202)と居住世帯あり住宅数(H1101)を2018年と2023年で県別に並べて、住んでいる住宅が減った県で空き家がどれだけ増えたか出して」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: 空き家数(H110202)と居住世帯あり住宅数(H1101)を2018年と2023年で県別に並べて、住んでいる住宅が減った県で空き家がどれだけ増えたか出して
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/vacant-house-rate.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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