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学校向け事業の市場を児童数で見積もると外れる——44年度分の統計で小学校を数え直す

学校に製品やサービスを届ける事業では、市場の大きさを何で数えるかで見積もりが変わります。デジタル教材やドリルは児童ひとりあたりの単価で売られますが、校務システムや複合機の保守は1校あたり、研修や指導者向けサービスは教員ひとりあたりで積み上がります。少子化の話題で目にする数字はほぼ児童数のことなので、それをそのまま自社の縮小率に読み替えると、事業によっては大きく外れます。

そこで、社会・人口統計体系の市区町村データから、1980年度から2024年度までの小学校を3つの単位で数え直しました。この統計は文部科学省の学校基本調査などの結果を市区町村別に組み替えたもので、全国1,741市区町村について同じ指標が1980年度から並びます。使うカテゴリは次の5つです。

コード 内容
E2101 小学校数
E2401 小学校教員数
E2501 小学校児童数
E3901 義務教育学校数
E3905 義務教育学校前期課程児童数

まずは小学校の3つ(E2101・E2401・E2501)を、児童数が最も多かった1982年度を100として重ねます。2008年度だけは121市区町村の値が欠けているため、時系列のグラフからはこの年度を外しています。

児童数は半減、学校数は4分の3、教員数は1割減

児童数は1982年度の11,898,851人から2024年度の5,941,695人へ、49.9%になりました。ほぼ半減です。一方で学校数は、1982年度の25,035校から2024年度の18,819校へ、75.2%にとどまっています。学校数がピークを迎えたのは1984年度の25,065校で、児童数のピークより2年遅れています。教員数はさらに動きが違い、1982年度の474,893人から2000年度の407,556人まで減ったあと反転して、2024年度は425,150人まで戻しています。1982年度と比べれば89.5%で、減ったのは1割です。

同じ期間を、児童・学校・教員のどれで数えるかによって、市場は半分にも4分の3にも1割減にもなります。では、1校あたりの規模はどこまで小さくなったのでしょうか。

1校あたりの児童数は2002年度に下げ止まっている

前のグラフと同じ集計から、児童数を学校数で割った「1校あたり児童数」と、児童数を教員数で割った「教員1人あたり児童数」を出します。

1校あたり児童数は、1982年度の475.3人から2002年度の304.1人まで一気に落ちたあと、そこで下げ止まります。2024年度は315.7人で、22年前よりむしろ増えています。児童数はこの間もさらに2割近く減り続けているので、学校数の減り方が児童数の減り方に追いついた結果です。学校が小さくなり続けているという印象とは違い、2000年代以降の日本は統廃合によって1校あたりの規模を300人前後で保ってきました。

一方、教員1人あたり児童数は下げ止まらず、1982年度の25.06人から2024年度の13.98人まで一貫して下がり続けています。この教員数(E2401)に義務教育学校の教員は含まれないので、後述する移行分を足すと母数はもう少し増えます。学校の数は絞られても、1校の中にいる教員は薄まっていません。教員ひとりを単位に売る事業から見れば、児童数が半分になったこの期間の縮小は1割にとどまり、2000年度以降に限れば市場はむしろ広がっています。

この300人前後という水準は、全国を足し合わせた平均です。担当地域が限られている場合、その地域でも同じように下げ止まっているとは限りません。

1校あたりの児童数は、県によって正反対に動いた

都道府県別に、2000年度と2024年度の1校あたり児童数を比べます。プラスは学校の統廃合が児童数の減少を上回った県、マイナスは統廃合が追いつかず小規模化した県です。

最も大きく上がったのは熊本県で、1校あたり225人から284人へ26.4%増えました。児童数が21.7%減るあいだに学校数を38.1%減らしたためです。逆に最も下がったのは山梨県で、254人から209人へ17.8%減りました。こちらは児童数が33.9%減ったのに対し、学校数の減少は19.6%にとどまっています。全国では横ばいに見えた1校あたりの規模が、県のレベルでは26.4%増から17.8%減まで開いています。

上位2番目の東京都は、他と成り立ちが違います。児童数が11.3%増えているにもかかわらず、学校数は8.4%減っており、その結果1校あたりが387人から470人へ21.5%増えました。児童が増えている地域でも学校の数は増えていないので、児童数の伸びをそのまま拠点数の伸びとして扱うことはできません。

学校を減らせば1校あたりの児童は増えますが、その1校が受け持つ地理的な範囲も広がります。

1校が受け持つ面積は、東京と北海道で22倍違う

同じ統計の自然環境データ(B1103 可住地面積)を市区町村単位で結合し、2024年度の可住地面積を小学校数で割ります。人が住める土地を学校の数で割った値なので、1校がおおよそどれだけの広さを受け持っているかの目安になります。可住地の中で人がどう散らばっているかは考えない単純な割り算なので、通学距離そのものではありません。

最も広いのは北海道の24.30km²、最も狭いのは東京都の1.08km²で、22.5倍の開きがあります。北海道に次ぐのは秋田県18.69km²、岩手県14.00km²と東北が並び、下位には大阪府1.36km²、神奈川県1.68km²と大都市圏が入ります。訪問や配送、現地据付をともなうサービスでは、同じ「1校」でも移動にかかる負担がこれだけ違います。統廃合が進んだ県ほど1校あたりの児童は増えますが、そのぶん1件を訪ねる距離は伸びます。

ただし小学校数(E2101)だけで市区町村を見ると、学校が1校もないように見える自治体があります。

小学校が0校になった42市区町村は、すべて義務教育学校を持っている

小学校から中学校までを1つの学校として運営する義務教育学校は、学校基本調査でも小学校とは別のカテゴリ(E3901・E3905)に集計されます。このデータで義務教育学校の値が入っている最初の年度は2019年度で、そこから先の推移が追えます。

義務教育学校は2019年度の94校・27,292人から、2024年度には238校・52,760人へ増えました。5年で学校数は2.5倍です。2024年度に義務教育学校を置いている市区町村は164に上ります。

ここで効いてくるのが、小学校数が0校と記録される市区町村です。2024年度にその状態にあるのは42市区町村ですが、その42すべてが義務教育学校を持っています。つまり小学校数だけで一覧を作ると、この42市区町村は「学校が1校もない自治体」として営業対象から外れます。実際には小学生にあたる児童が通う学校が存在します。学校数を数えるときは、E2101 と E3901 を足す必要があります。

業務でどう使うか

  • 事業計画の前提を、単価の単位に合わせて置き直す。児童ひとりあたりで売る事業と、1校あたり・教員ひとりあたりで売る事業とでは、長期の縮小幅が変わる
  • 担当地域の統廃合フェーズを確かめる。1校あたり児童数が上がっている県では顧客の数が減りながら1件が大きくなり、下がっている県では顧客の数を保ったまま1件が小さくなる。営業リソースの配分はこの向きで変わる
  • 訪問をともなうサービスでは、1校あたりの可住地面積を移動コストの目安として担当エリアの設計に使う
  • 顧客マスタを組むときは小学校と義務教育学校を合算する。市区町村を小学校数だけで絞り込むと、義務教育学校に移行した自治体が漏れる

データの出典

本記事は e-Stat の社会・人口統計体系から、市区町村別の教育データ(E 教育)と自然環境データ(B 自然環境)を2026年7月31日時点で集計しています。元データは文部科学省の学校基本調査などで、数値はすべて年度の値です。

こうした分析の土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。省庁ごとに配布形式が違う統計について、列名・単位・文字コードを揃え、カテゴリコードの意味をメタデータとして添えてあります。本記事で使った市区町村別の教育テーブルから、自社の担当エリアだけを抜き出して学校数と児童数の推移を確かめたり、自然環境テーブルと組み合わせて1校あたりの面積を出したりできます。統計の突き合わせに時間を取られず、どの単位で市場を数えるかという判断そのものに集中できます。

続きや気になることをAIエージェントで深掘りする

Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。

たとえば「小学校数(E2101)と義務教育学校数(E3901)を足した学校数を、2019年度と2024年度で市区町村別に出して、減少数の大きい順に並べて。児童数(E2501+E3905)の減少率も添えて」といった深掘りができます。

Queria の公開データで次を分析してください: 小学校数(E2101)と義務教育学校数(E3901)を足した学校数を、2019年度と2024年度で市区町村別に出して、減少数の大きい順に並べて。児童数(E2501+E3905)の減少率も添えて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/elementary-school-market-units.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
ターミナル(CLI)で始める
claude "Queria の公開データで次を分析してください: 小学校数(E2101)と義務教育学校数(E3901)を足した学校数を、2019年度と2024年度で市区町村別に出して、減少数の大きい順に並べて。児童数(E2501+E3905)の減少率も添えて
参考 (この記事): https://queria.io/showcase/elementary-school-market-units.md
Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"

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本記事はAIエージェントがQueriaの公開データを分析して作成し、別のエージェントが記事内のSQLをすべて実行して本文と照合したうえで、が公開前に確認しています。記事の数値はすべて掲載しているSQLから再現できます。