
特許を持つ会社の割合が一番高いのは富山県、東京は10位。デザインの登録は新潟県が全国一
多くの都道府県には、知的財産の支援メニューがあります。出願費用の助成、専門家による相談窓口、海外での権利化の後押しといったものです。では、その支援が向き合う相手——県内の会社は、どれだけ特許や商標を持っているのでしょうか。
国税庁が公表する法人番号の全件データには、全国の会社の登記所在地が入っています。経済産業省のgBizINFOは、法人番号ごとに特許・意匠・商標の情報を収録しています。この2つを法人番号で突き合わせると、知的財産の広がりを「県内の会社に占める割合」として数えられます。
444万社のうち、権利を持つのは何社か
分母は、法人番号が付いている法人のうち会社にあたるもの——株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社——です。全国で4,439,774社あり、それぞれ登記された本店の所在地から都道府県が分かります。分子は、gBizINFOに収録された特許・意匠・商標のうち、その会社が権利者になっているものです。
gBizINFOに入るのは登録に至った権利で、出願から登録までには時間がかかります。直近の出願ほど反映が遅れるため、対象は反映がほぼ済んでいる2014年から2019年に出願され、登録に至った権利です。法人番号で紐づく権利だけが収録されるので、個人名義の出願は含まれません。
商標を持つ会社は66,050社で、全国の会社の1.488%にあたります。特許は23,466社(0.529%)、意匠は6,763社(0.152%)です。商標を持つ会社は特許の2.8倍、意匠の9.8倍あります。意匠とは、製品の形や模様といったデザインを保護する権利です。
目を引くのは右端の列です。県内の会社に占める割合を47都道府県で比べたとき、商標は最高と最低で2.52倍しか開かないのに対し、特許は6.05倍、意匠は10.17倍開いています。名前を登録する会社の割合はどの県でも似た水準にあり、技術とデザインの登録だけが特定の県に偏っている、ということになります。
特許を持つ会社の割合は、北陸が全国で最も高い
まず特許から見ます。県内の会社のうち、2014年から2019年に出願して登録された特許を持つ会社の割合です。青が上位10、薄い青が中間の27、グレーが下位10です。
1位は富山県で0.921%、2位は福井県で0.855%です。滋賀県(0.757%)、大阪府(0.728%)、長野県(0.716%)、愛知県(0.698%)と続き、京都府(0.697%)、石川県(0.690%)、新潟県(0.660%)を挟んで、東京都は0.652%の10位です。富山県の割合は東京都の約1.4倍にあたります。北陸3県がそろって上位に入り、そこに新潟県と長野県が加わる並びになっています。
下位には沖縄県(0.152%)、長崎県(0.197%)、北海道(0.200%)、熊本県(0.251%)、千葉県(0.264%)が並びます。上位の富山県と下位の沖縄県では6.05倍の差です。
この所在地は、国税庁の法人番号に登録された本店の所在地です。地方の工場で生まれた発明でも、本店が東京にあれば東京都の会社として数えられます。
割合が10位だからといって、東京都の存在感が小さいわけではありません。特許を持つ会社の数そのものを見ると、次のようになります。
東京都には特許を持つ会社が6,996社あり、全国23,466社の29.8%を占めます。会社数そのものの全国シェアが24.2%ですから、実数では東京都に集まっています。割合と実数では見える姿が違うので、支援策の対象規模を見積もるときは実数、県内での浸透度を測るときは割合、と使い分けることになります。
名前の登録は、どの県でもだいたい同じ割合で行われている
次に、特許を持つ会社の割合を横軸に、商標を持つ会社の割合を縦軸にとって、47都道府県を1点ずつ置きます。点にカーソルを合わせると県名が出ます。
縦方向、つまり商標の広がりは0.804%から2.028%の間に収まっています。横方向の特許は0.152%から0.921%まで開いていて、値そのものは小さいのに散らばりは大きくなっています。
同じ横位置でも、縦位置は県によって違います。特許の割合が0.65%から0.72%の範囲にそろう長野県・愛知県・京都府・石川県・新潟県・東京都を並べると、商標の割合は長野県の1.565%から東京都の2.028%まで開きます。特許が0.20%前後で並ぶ長崎県と北海道でも、商標は長崎県1.179%、北海道0.832%と1.4倍違います。
千葉県は特許0.264%(43位)、商標0.804%(47位)で、左下の隅にあります。埼玉県(特許34位・商標44位)、茨城県(特許31位・商標45位)、神奈川県(特許26位・商標37位)も近くに集まり、いずれも商標が特許より下の順位にあります。
デザインの登録は、さらに狭い地域に集まる
最後に意匠です。県間の開きが10.17倍と3つの権利の中で最も大きいので、地図で見ます。色が濃いほど、県内の会社に占める割合が高い地域です。
1位は新潟県で0.340%、2位が奈良県(0.305%)、3位が富山県(0.304%)です。大阪府(0.285%)、岐阜県(0.246%)、福井県(0.244%)が続き、東京都は0.186%の13位にとどまります。濃い色は新潟県から北陸・近畿・東海にかけて連なり、北海道(0.057%)・東北・九州は薄いままです。最も低い沖縄県は0.033%で、新潟県との差は10.17倍になります。
特許の上位が北陸に寄っていたのに対し、意匠の上位には新潟県と奈良県が入ります。特許では9位だった新潟県が意匠では1位、特許では14位だった奈良県が意匠では2位です。技術の登録が多い県と、デザインの登録が多い県は、重なりつつもずれています。
業務での使い方
- 自県の位置を3つの権利それぞれで確かめる。特許・商標・意匠のどれが全国平均を下回っているかで、支援メニューのどこに人を割くかの当たりがつきます
- 3つの権利で順位が入れ替わる県に注目する。新潟県は特許9位・意匠1位、京都府は特許7位・意匠16位というように、県ごとに強い権利が違います
- 近隣県や産業構成の似た県と並べる。同じ規模の県で割合が大きく違えば、そこには制度の使われ方の差がある可能性があります
- 市区町村まで下ろす。法人番号のデータには市区町村名が入っているので、同じ数え方を県内の市区町村単位に置き換えられます
データの出典
本記事は経済産業省のgBizINFOが収録する知的財産情報と、国税庁の法人番号公表サイトの全件データを2026年8月19日時点で突き合わせて集計しています。知的財産情報の元データは特許庁の登録原簿で、対象は2014年から2019年までに出願され登録に至った特許・意匠・商標です。会社の所在地は法人番号に登録された本店の所在地を使っています。
県内の会社のうち何%が知的財産を持っているかは、権利の側の統計と、会社の側の名簿を同じ地域単位でそろえて初めて出せる数字です。こうした突き合わせの土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。gBizINFOや国税庁法人番号のように別々に公表されるオープンデータについて、法人番号を共通のキーにそろえ、列名や単位の意味をメタデータとして添えてあります。本記事で使った知的財産テーブルと法人番号テーブルから、自県の会社を業種や規模で絞って確かめたり、市区町村まで下ろして見たりできます。名簿の突き合わせに時間を取られず、どこにどの支援を届けるかの判断そのものに集中できます。
続きや気になることをAIエージェントで深掘りする
Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。
たとえば「houjin_bangou.main.mart_houjin_bangou の city_name と gbizinfo.main.mart_gbizinfo_patent を使って、自分の県の市区町村別に特許・商標・意匠を持つ会社の数と、会社数に占める割合を出して。2014年から2019年の出願に絞って」といった深掘りができます。
Queria の公開データで次を分析してください: houjin_bangou.main.mart_houjin_bangou の city_name と gbizinfo.main.mart_gbizinfo_patent を使って、自分の県の市区町村別に特許・商標・意匠を持つ会社の数と、会社数に占める割合を出して。2014年から2019年の出願に絞って 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/corporate-ip-regional-gap.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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claude "Queria の公開データで次を分析してください: houjin_bangou.main.mart_houjin_bangou の city_name と gbizinfo.main.mart_gbizinfo_patent を使って、自分の県の市区町村別に特許・商標・意匠を持つ会社の数と、会社数に占める割合を出して。2014年から2019年の出願に絞って 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/corporate-ip-regional-gap.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"
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