
gBizINFOの公開データで業種・企業規模別の女性従業員比率を分析する
女性活躍推進やダイバーシティ採用を担う人事担当者にとって、「自社の女性従業員比率は高いのか、低いのか」は目標設定や求人での訴求を考えるうえで避けて通れない問いです。ただし、この判断を全国平均と比べて行うと見誤ります。女性比率は業種や企業規模によって大きく異なるため、比較すべきは同じ業種・同じ規模の他社だからです。
経済産業省が運営するgBizINFOには、このベンチマークに使えるデータがあります。女性活躍推進法に基づいて各企業が公表した女性従業員比率を、企業ごとに収録しているからです。本記事では、約2万社分のこのデータを業種別・規模別に集計し、自社の位置づけを測るための目安を作る手順を示します。
使用するデータ
このデータは gBizINFO の法人活動サマリ(mart_gbizinfo_company)から取得しています。女性従業員比率(female_ratio)は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の公表値で、企業が自ら開示した割合(0〜100%)です。
注意したいのは母集団の偏りです。女性比率を公表しているのは、法人番号が付与された全国の企業のうち約2万社にとどまります。女性活躍推進法の公表義務は当初「常時雇用する労働者301人以上」の企業が対象で、2022年4月から「101人以上」に拡大されました。そのため、このデータは中規模から大規模の企業に偏っています。「日本企業全体の平均」ではなく「開示企業のうち、おもに従業員100人以上の企業」の姿である点を踏まえて読む必要があります。
業種は同テーブルの事業概要(business_items)に含まれる日本標準産業分類の大分類(製造業、建設業など)から取得しています。まず、開示企業全体で女性比率がどのように散らばっているかを見ます。
開示企業全体(約2万1000社)の女性比率は、特定の値に集中せず、0〜10%から90〜100%まで広く散らばっています。企業数が最も多いのは0〜10%の帯(約3000社)で、女性がほぼすべてを占める90〜100%の帯にも約2000社が入っています。中央値が入るのは40〜50%の帯です。
この散らばりの大きさが、ベンチマークに業種や規模の軸が必要なことを物語っています。開示企業全体の分布だけを見て自社を評価しても、自社が属する集団の中での位置はわかりません。そこで、まず業種別に平均を見ます。
業種で大きく分かれる女性比率
業種別に見ると、女性従業員比率の平均は最も低い建設業の25.1%から、最も高い医療・福祉の70.1%まで、約2.8倍の開きがあります。医療・福祉(70.1%)、生活関連サービス業・娯楽業(55.4%)、教育・学習支援業(53.3%)が高い一方、建設業(25.1%)、運輸業・郵便業(26.1%)、製造業(33.8%)は低くなっています。
この差は、自社の評価軸を全国平均ではなく業種平均に置くべきことを意味します。たとえば女性比率35%の製造業は業種平均(33.8%)をわずかに上回りますが、同じ35%でも医療・福祉では業種平均(70.1%)を大きく下回ります。同じ数字でも、業種が変われば「平均より上」か「平均より下」かが逆転します。求人で女性活躍を訴求する際も、自社の数字を業種平均と並べて示せば説得力が増します。
企業規模による違いは緩やか
企業規模別では、従業員50人未満の45.3%から1000人以上の39.2%まで、規模が大きくなるほど女性比率がやや下がる傾向が見えます。ただし差は約6ポイントで、業種による差(約45ポイント)に比べると小さく、緩やかな傾きにとどまります。ベンチマークを作るうえでは、規模よりも業種の軸を優先したほうが、自社の位置づけを正確に測れることがわかります。
なお、開示企業の多くは従業員100〜999人の規模(合わせて全体の約6割)に集中しています。これは前述の公表義務の対象範囲を反映したもので、50人未満や1000人以上の集計はサンプル数が相対的に少ない点に留意してください。
業務での活用
- 目標設定: 自社の女性比率を、同じ業種・近い規模の開示企業の平均と並べ、引き上げ目標の妥当性を検討する
- 採用訴求: 自社の数字が業種平均を上回る場合、求人や採用広報で具体的な比較とともに示し、説得力のある訴求材料にする
- 競合比較: 同業他社の開示値を参照し、自社が採用市場でどの位置にいるかを把握する
このデータの読み方と注意点
本記事は経済産業省のgBizINFOが公開する法人活動サマリを、2026年7月11日時点で取得して集計しています。対象は女性従業員比率を開示している約2万1000社で、これは女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画として各企業が自ら公表した値です。
集計では女性比率が未記入の企業を除いています。業種別の集計では、事業概要(business_items)から日本標準産業分類の大分類を取り出したうえで、企業数が100社に満たない業種を除きました。少数の企業で平均を出すと、1社の値でベンチマークが動いてしまうためです。分類コードが T(分類不能の産業)で始まるレコードも、業種のベンチマークとして意味を持たないため除いています。規模別の集計では従業員数が未記入の企業を除きました。
このデータは日本企業全体の姿ではありません。公表義務の対象は当初「常時雇用する労働者301人以上」の企業で、2022年4月から「101人以上」に拡大された経緯があり、開示企業は中規模から大規模に偏っています。実際、集計対象の6割強が従業員100〜999人の企業です。また各社が自主的に公表した値をそのまま集計しているため、算定の基準日や対象範囲(正社員のみか、パート・契約社員を含むか)は企業ごとに揃っていません。管理職に占める女性の割合や職種別の内訳も、この集計からは分かりません。
この記事は、Queriaが公開する整理済みのオープンデータをAIが分析して作成しました。Queriaは、gBizINFOをはじめとするオープンデータの列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えて公開しています。整えられたデータとメタデータがあることで、AIは見当違いな解釈をせずに的確な分析ができます。「自社と同じ業種・規模の女性比率を知りたい」と伝えれば、AIが条件に合う企業を絞り込んで集計し、その根拠となるSQLも示します。Claude Codeで分析するガイドで、実際の手応えを紹介しています。
続きや気になることをAIエージェントで深掘りする
Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。
たとえば「医療・福祉と建設業について、企業規模(従業員数の区分)別に女性従業員比率の平均を出して。業種内で規模によって差が出るか比べて」といった深掘りができます。
Queria の公開データで次を分析してください: 医療・福祉と建設業について、企業規模(従業員数の区分)別に女性従業員比率の平均を出して。業種内で規模によって差が出るか比べて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/corporate-female-ratio.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
ターミナル(CLI)で始める
claude "Queria の公開データで次を分析してください: 医療・福祉と建設業について、企業規模(従業員数の区分)別に女性従業員比率の平均を出して。業種内で規模によって差が出るか比べて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/corporate-female-ratio.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"
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