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要介護3以上の高齢者は860の市町村ですでに減っている。その8割で、10年後の85歳以上は今より多い

特別養護老人ホームの増床や建て替えを考えるとき、まず見るのは「この先、重い介護が要る高齢者がどれだけいるか」です。特養は原則として要介護3以上の人が入る施設なので、地域の要介護3以上(要介護3〜5)の人数が、そのまま施設の需要の目安になります。高齢者が増え続けている以上、その人数も増え続けている、と考えている人は多いはずです。

全国で見ればほぼそのとおりです。ところが市町村ごとに数えると、要介護3以上の人数がすでに減り始めた市町村が、数字のそろう1,521市町村の半分を超えています。この記事では、厚生労働省の介護保険事業状況報告で減り始めた市町村を数え、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計人口で、その市町村の85歳以上がこの先どう動くかを確かめます。

全国の要介護3以上は、2024年度に初めて前年度を下回った

介護保険事業状況報告は、保険者(市町村や、複数の市町村でつくる広域連合)ごとに、要介護認定を受けた人の数を年度末(翌年の3月末)時点で集計しています。Queria の要介護認定者数のテーブルでは、認定者を次の区分で引けます。

列 値
insured_category 総数、第1号被保険者(65歳以上)、第2号被保険者(40〜64歳)
care_level 要支援1・要支援2・要介護1〜5、それに合計
age_group 第1号被保険者の年齢の内訳(5歳刻み、90歳以上)。空の行が年齢の計

ここでは65歳以上(第1号被保険者)を使い、要介護度を「要支援1・2」「要介護1・2」「要介護3〜5」の3つにまとめて、全国の人数を2010年度から並べます。

要介護3〜5の人は2010年度の186.4万人から増え続け、2023年度に236.1万人になりました。2024年度は235.99万人で、前年度より1,277人少なくなっています。このテーブルが持つ2002年度以降で、前年度を下回ったのは初めてです。要介護1・2と要支援1・2は2024年度も増えています。

2024年度の要介護3〜5のうち、85歳以上の人は62.1%を占めます。重い介護が要る人の多くは85歳を過ぎた人です。

減り始めた市町村は年々増え、2024年度には860になった

全国の合計がほぼ横ばいになる前から、市町村ごとには減少が始まっていました。単独で保険者を務め、2010〜2024年度の数字がすべてそろう1,521市町村について、要介護3〜5の人数が「その年度までの最多より5%以上少ない」市町村を年度ごとに数えます。広域連合などで共同運営している市町村は、市町村ごとの数字が無いので含みません。

2024年度には、1,521市町村のうち860(56.5%)で、要介護3〜5の人数が2010年度以降の最多より5%以上少なくなっています。10%以上少ない市町村も576あります。数は2011年度から毎年度増えていて、とくに2022年度は1年で126増えました。

減り始めた市町村は、小さな町村に偏っています。最多の年度の人数で市町村を4つに分けると、次のようになります。

最多の年度に500人未満だった市町村では674のうち507(75.2%)が減っていますが、2,000人以上の市では254のうち53(20.9%)です。最多の年度が100人に満たない町村では、5%は数人にあたります。15年間の最多と比べるので、人数の小さい町村ほど年ごとの揺れで「減った」に入りやすい点は割り引いて読みます。人数で見ると、減った860市町村に住む要介護3〜5の人は54.1万人で、1,521市町村の合計224.1万人の24.1%にあたります。

ただし、大きな市にも減り始めたところはあります。減った市町村のうち、最多の年度の人数が多い順に並べます。

東京都大田区や静岡県浜松市のような大都市でも、要介護3〜5の人は最多の年度より5%以上少なくなっています。

市町村ごとの減り方を地図に塗ると、次のようになります。色が濃いほど、2024年度の人数が最多の年度より大きく減っています(30%以上は同じ色)。色の無い市町村は、広域連合などで共同運営しているか、2010〜2024年度の数字がそろわないところです。

85歳以上が減り始め、その手前の75〜84歳が増えている

減り始めた860市町村をひとまとめにして、要介護3〜5の人数と、介護保険に加入している65歳以上の人(第1号被保険者)の年齢別の人数を並べます。被保険者数のテーブルは2018年度から85歳以上を分けて持つので、2018年度を100とした指数で比べます。

この860市町村の85歳以上は、2022年度の170.1万人を最多に、2024年度には166.3万人へ減りました。要介護3〜5の人も、2021年度の57.2万人から2024年度の54.1万人へ減っています。

ただし、要介護3以上の人数は85歳以上の人数と同じ割合では動きません。減ったかどうかで選んでいない1,521市町村全体で見ても、2018年度から2024年度に85歳以上の被保険者は17.3%増えたのに、要介護3〜5の人は6.6%の増加にとどまっています。

一方、860市町村の75〜84歳の人は、2018年度の283.0万人から2024年度の313.5万人へ10.8%増えています。85歳の手前に、人数の多い世代が控えています。

2035年に向けて、85歳以上は増える推計

社人研の市区町村別の将来推計人口で、同じ860市町村の85歳以上が今後どう動くかを見ます。推計は2020年の国勢調査を起点に、5年ごとの10月1日時点の人口を男女・5歳階級別に出したもので、2025年以降は推計値です。市町村ごとの推計が無い福島県浜通りの9市町村を除いた851市町村を合計します。

851市町村の85歳以上は、2025年の170.5万人から2035年に214.2万人へ、25.6%増える推計です。2040年の224.4万人まで増え、その後に減ります。いま75〜84歳の世代が、2030年代に85歳を迎えるためです。

市町村ごとに、2025年から2035年への85歳以上の増減を分布にします。2025年の85歳以上が0人の1村は除き、100%を超えて増える1村は右端の棒に含めています。

851市町村のうち703(82.6%)で、2035年の85歳以上は2025年より多くなります。10%以上増えるのは544です。2035年に2025年より少なくなるのは145にとどまります。また、851のうち395では2030年の85歳以上が2025年より少なく、そのうち251は2035年に2025年を上回る推計です。

施設の周りでどの年齢の人が多いかは、下の地図で確かめられます。例として、上の表で要介護3〜5が12.2%減り、85歳以上が2035年に2025年より27.3%多くなる山口県下関市の、市役所から半径2kmの範囲の年齢構成を出しています。地図をクリックすると、その地点を中心に数え直します。

  1. Load the data
  2. Find the neighborhoods in the trade area
  3. Count population, shops and more

The first time, loading the data can take about a minute.

下関市役所から半径2kmClick the map or search for a station or address to move the point and recountOpen in area analysis

施設計画への活かし方

  • 定員を減らす・施設を転換する判断の前に、その市町村の要介護3以上の人数が「減り始めた」のか「減り続ける」のかを分けて見る。減り始めた860市町村の多くでは、2035年の85歳以上が2025年より多い推計です
  • 85歳以上が増えても、重い認定を受ける人が同じ割合で増えるとは限りません。1,521市町村全体でも、2018〜2024年度に85歳以上は17.3%増えたのに、要介護3〜5は6.6%増にとどまりました。需要の見通しは、85歳以上の人数と、そのうち要介護3以上になる人の割合の両方で立てます
  • 2035年の85歳以上が2025年より少ない145市町村では、85歳以上の人数を増床の根拠にできません。定員の見直しや在宅サービスへの転換も含めて検討する地域です
  • 広域で利用者を受け入れる施設なら、自施設のある市町村だけでなく、利用者が住む周りの市町村の数字も並べて見ます

データの出典

本記事は、厚生労働省の介護保険事業状況報告(年報)の保険者別の要介護認定者数と第1号被保険者数(2010〜2024年度、各年度末現在)、および国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)を、2026-10-29 時点で集計しています。将来推計人口の2025年以降は推計値です。

要介護3以上の人数は、全国では横ばいでも、市町村ごとにはすでに減っているところと増え続けているところに分かれ、減り始めたところの多くでも85歳以上はこの先増える推計です。これは全国の合計や、自分の市町村の数字を1年分見るだけでは分かりません。Queria は、介護保険事業状況報告や将来推計人口のような官公庁のデータについて、列名・単位・地域コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えて公開しています。本記事で使った要介護認定者数・第1号被保険者数・将来推計人口のテーブルから、自施設のある市町村や周りの市町村の推移をそのまま確かめられます。データを集めて加工する手間をかけずに、増床や建て替えの判断そのものに集中できます。

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For example, you could explore “要介護3〜5の認定者数が2010年度以降の最多より5%以上減った市町村を都道府県別に数えて、県内の市町村のうち何割がそうなっているかを比べて”.

Using Queria's open data, analyze the following: 要介護3〜5の認定者数が2010年度以降の最多より5%以上減った市町村を都道府県別に数えて、県内の市町村のうち何割がそうなっているかを比べて
Reference (this page): https://queria.io/showcase/heavy-care-elderly-decline-municipalities.md
Connect with the Queria connector (https://queria.io/mcp) or the Queria CLI (uvx queria). Run uvx queria --help and uvx queria docs list to learn the CLI.
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claude "Using Queria's open data, analyze the following: 要介護3〜5の認定者数が2010年度以降の最多より5%以上減った市町村を都道府県別に数えて、県内の市町村のうち何割がそうなっているかを比べて
Reference (this page): https://queria.io/showcase/heavy-care-elderly-decline-municipalities.md
Connect with the Queria connector (https://queria.io/mcp) or the Queria CLI (uvx queria). Run uvx queria --help and uvx queria docs list to learn the CLI."