
大卒初任給の県ごとの差、金額は3倍でも比はほとんど広がっていない — 下に離れたのは沖縄県
2019年に大学を出て就職した男性の初任給は、東京都で月22万4,100円、沖縄県で17万4,700円でした。差は4万9,400円です。1977年の最高(東京都10万4,700円)と最低(鳥取県8万8,000円)の差は1万6,700円だったので、金額の差は約3倍になりました。
ただし同じ期間に、全国の初任給そのものも10万1,000円から21万2,800円へ約2.1倍になっています。最高県が最低県の何倍かで比べると、1977年は1.19倍、2019年は1.28倍です。ただし1年だけの比は振れが大きく、1977年は続く数年より低く出た年です。
使うデータ
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)の都道府県別の値を、e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別労働データ(f_pref_labor)から取り出しています。新規学卒者の給与は学歴と性別の組み合わせで収録されていて、2019年までと2020年からで項目が分かれています。
| 学歴・性別 | 初任給(〜2019年) | 所定内給与額(2020年〜) |
|---|---|---|
| 高校卒(男) | F6401(1975〜2019年) | F6407 |
| 高校卒(女) | F6402(1975〜2019年) | F6408 |
| 高専・短大卒(男) | F6406(2019年のみ) | F6409 |
| 高専・短大卒(女) | F6404(1975〜2019年) | F6410 |
| 大学卒(男) | F6403(1975〜2019年) | F6411 |
| 大学卒(女) | F6405(2019年のみ) | F6412 |
この記事の「大卒初任給」は、大学卒(男)の新規学卒者初任給(F6403)です。項目定義によると、新規学卒者の初任給は1976年度まで職業安定局の「新規学卒者の初任給調査」で集計され、その後を賃金構造基本統計調査が引き継いでいます。この記事の比較は、同じ調査の値がそろう1977年以降です。2020年からの新規学卒者所定内給与額(F6411)は最後の節で扱います。
金額の差は3倍、比の広がりはわずか
各年の47都道府県について、最高県÷最低県と、上から10番目の県÷下から10番目の県を並べます。前者は両端の2県だけで決まり、後者は47都道府県の並びの中ほどの開きを表します。2020年からの点は定義の違う系列なので、線をつないでいません。
最高県÷最低県は、1977年から2019年までおおむね1.2倍前後で上下しています。2011年のように最高と最低の両方が前後の年から外れて比が1.5倍に達する年や、2001年のように最低の県だけが下がって1.3倍を超える年もありますが、翌年には戻ります。賃金構造基本統計調査は事業所を抽出した標本調査なので、県ごとの1年だけの値は振れを含みます。5年ごとの平均で並べると次のとおりです。
最高県÷最低県は、1977〜1979年の1.22倍から1990〜1994年に1.19倍まで縮み、2000年代に1.2倍台半ばへ戻りました。2010〜2014年の1.32倍は、比が1.5倍に達した2011年を含む値です。2015〜2019年は1.25倍で、始めの時期をわずかに上回る水準です。上から10番目÷下から10番目はどの期間も1.07〜1.09倍にとどまり、47都道府県の並びの中ほどはほとんど動いていません。
下に離れたのは沖縄県
両端の比のわずかな広がりがどこから来たかは、東京都と沖縄県を47都道府県の中央値と比べると分かります。
5年ごとの平均で見ると、東京都は中央値の1.08倍(1977〜1979年)から1990年代に1.06倍まで下がり、2000年代以降は1.09〜1.12倍で推移しています。2015〜2019年の1.09倍は、始めの時期とほぼ同じ水準です。沖縄県は0.94倍から2000〜2004年の0.86倍まで下がり、その後は0.87〜0.88倍です。沖縄県を除いて最高県÷最低県を出し直すと、1977〜1979年の1.21倍に対して2015〜2019年は1.18倍になります。沖縄県を除くと、両端の比はむしろ縮んでいます。
最低の県の顔ぶれも入れ替わっています。1977〜1992年の16年間は9つの県が入れ替わりで最低になり、沖縄県が最低だったのは2年だけでした。1993〜2019年の27年間では24年が沖縄県です。1年ごとの順位は標本の振れを含みますが、27年中24年という偏りは振れだけでは説明しにくいものです。
2019年の47都道府県
2019年は東京都(22万4,100円)に大阪府・愛知県・神奈川県など6府県が21万円台で続き、29位の和歌山県から45位の岩手県までの17道県が19万円台に並びます。沖縄県(17万4,700円)は、46位の宮崎県(18万9,000円)よりさらに1万4,300円低い位置にあります。自県の初任給を東京都との金額の差で追うと、初任給全体の上昇につれて差も大きくなります。47都道府県の中央値との比で見れば、その上昇と切り分けて自県の位置を確かめられます。
2020年からの系列
2020年から、同じ調査の都道府県別の値は新規学卒者所定内給与額(F6411)に替わりました。2019年までの初任給は通勤手当を除いた額で、2020年からは通勤手当を含むので、金額は2019年までの線とつながりません。
この系列でも、沖縄県は5年中4年で最低です。ただし1年ごとの振れは2019年までより大きく、2023年は沖縄県が25万2,400円で東京都(24万4,500円)を上回り、2024年は群馬県が31万7,900円で最高になっています。最初の図で2020年からの比が高く出ているのも、この振れを含んだ値です。5年分では、差が広がり始めたのか、振れが大きくなっただけなのかは区別できません。
まとめ
- 大卒男性の初任給の最高県と最低県の差は、1977年の1万6,700円から2019年の4万9,400円へ約3倍になった。同じ期間に初任給全体も約2.1倍になっている
- 5年平均の最高県÷最低県は1.22倍(1977〜1979年)から1.25倍(2015〜2019年)で、広がりはわずか。沖縄県を除くと1.21倍から1.18倍に縮む
- 沖縄県は中央値の0.94倍から0.87倍へ下がり、1993〜2019年の27年中24年で最低だった
データの出典
本記事は e-Stat 社会・人口統計体系の都道府県別労働データを2026年9月24日時点で集計しています。元データは厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、金額は各年6月分の名目値です。
初任給の地域差は、1年分の金額の差だけを見ると広がり続けているように見えます。47都道府県を1977年から2019年まで並べ、初任給全体の上昇と切り分けてはじめて、どの県がどれだけ動いたかが分かります。Queriaは、こうした分析の土台になるデータを整えた形で公開しています。e-Statをはじめとする官公庁のオープンデータについて、列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った都道府県別の労働データのテーブルから、自県の初任給が全国の並びのどこにあるかを確かめられます。データの整備に時間を取られず、新卒採用の給与水準をどう決めるかという判断そのものに集中できます。
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Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。
たとえば「高校卒男性の初任給(F6401)でも、1993年以降に沖縄県が最低の年が続いているか、年ごとの最低の県を並べて確かめて」といった深掘りができます。
Queria の公開データで次を分析してください: 高校卒男性の初任給(F6401)でも、1993年以降に沖縄県が最低の年が続いているか、年ごとの最低の県を並べて確かめて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/starting-salary-regional-gap.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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claude "Queria の公開データで次を分析してください: 高校卒男性の初任給(F6401)でも、1993年以降に沖縄県が最低の年が続いているか、年ごとの最低の県を並べて確かめて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/starting-salary-regional-gap.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"
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