
30年で5倍、34.6万人 — 不登校の長期トレンドを都道府県データで読み解く
2023年度に不登校とされた小中学生は346,482人でした。同じ年度の小中学生の在籍数は9,227,193人なので、全体の3.76%、およそ27人に1人にあたります。
教育委員会の指導主事やスクールカウンセラーの配置を検討する立場からは、この人数が自分の県でどの水準にあり、どのくらいの速さで増えてきたのかが支援体制を組む前提になります。e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別教育データ(e_pref_education)を使い、1991年度から2023年度までの推移と都道府県間の差を並べます。
不登校児童生徒数の推移
このテーブルには、長期欠席(年度間30日以上)の児童生徒数が理由別に収録されています。使うのは次のカテゴリです。
| コード | 内容 |
|---|---|
| E2508 | 小学校長期欠席児童数(年度間30日以上) |
| E250801 | 小学校長期欠席児童数(病気) |
| E250802 | 小学校長期欠席児童数(不登校) |
| E3505 | 中学校長期欠席生徒数(年度間30日以上) |
| E350501 | 中学校長期欠席生徒数(病気) |
| E350502 | 中学校長期欠席生徒数(不登校) |
ここで扱う「不登校」は、長期欠席のうち病気や経済的理由を除いたもの、つまり小学校長期欠席児童数(不登校)(E250802)と中学校長期欠席生徒数(不登校)(E350502)です。まず、全国の推移を小学校・中学校別に見ます。
中学校の不登校は1991年度の54,172人から2023年度の216,112人へ4.0倍に、小学校は12,645人から130,370人へ10.3倍に増えました。合計では66,817人から346,482人で、32年間で5.2倍です。ただし1997年度から1998年度にかけて小学校が25%、中学校が20%増える段差があります。小学校でみると前後の年の伸びは6.5%と0.1%で、この1年だけが前後から突出しています。5.2倍にはこの段差が含まれています。
小学校・中学校とも直近の最少は2012年度(小学校21,243人、中学校91,249人)で、そこから増加に転じています。増え方は一定ではなく、2013年度から2016年度までの3年間は小学校で26%増、中学校で8%増でしたが、2016年度から2023年度の7年間では小学校が4.3倍、中学校が2.1倍になりました。
不登校率の推移
児童生徒数そのものが少子化で減り続けているため、絶対数だけでは水準の変化が分かりません。在籍数で割った不登校率で見ます。分母には小学校児童数(E2501)と中学校生徒数(E3501)を使います。
中学校の不登校率は1991年度の1.04%から2023年度の6.80%へ、6.5倍になりました。35人学級であれば1クラスに2人強という水準です。小学校は0.14%から2.15%で、15.4倍とさらに急な伸びです。
不登校率は2001年度から2012年度にかけて横ばいから微減で推移し(中学校2.81%→2.57%、小学校0.36%→0.31%)、2013年度以降に再び上昇に転じています。この間、2013年9月にいじめ防止対策推進法が施行され、2017年2月には教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)が全面施行されました。文部科学省は2019年10月の通知で、不登校を「問題行動」と判断してはならないと明示しています。学校が長期欠席をどう記録するかの前提が変わった時期と、統計上の増加が始まった時期は重なっています。
都道府県別の不登校率
2023年度の都道府県別データから、不登校率の上位・下位それぞれ10県を比較してみましょう。
最も高いのは宮城県(4.73%)、最も低いのは福井県(2.69%)で、1.8倍の差があります。上位10県は宮城県・島根県・長野県・沖縄県・福岡県・静岡県・北海道・栃木県・熊本県・広島県で、東京都・大阪府・神奈川県・愛知県は含まれません。下位10県には千葉県(3.20%)と埼玉県(3.16%)が入っています。不登校率の高さは、大都市圏かどうかでは説明できません。
最も低い4県(福井県2.69%、岡山県2.89%、岩手県3.00%、香川県3.04%)は3%前後にとどまり、最も高い宮城県との差は1.5ポイント以上あります。
20年間の変化が大きい都道府県
2003年度と2023年度の不登校率を比較し、変化幅が大きかった都道府県を見てみましょう。
変化幅が最も大きいのは沖縄県(1.00% → 4.65%、+3.65ポイント)で、20年間で不登校率が4.65倍になりました。宮城県(+3.58ポイント)、長野県(+3.47ポイント)、北海道(+3.36ポイント)が続きます。
この15県はいずれも+2.8ポイント以上の増加で、倍率でみると島根県の3.06倍から北海道の4.91倍まで幅があります。15県のうち13県は2003年度の不登校率が1.2%以下でした。当時から高かった島根県(1.54%)は、増加幅では15県中7位ですが、倍率では最小の3.06倍です。同じだけポイントが増えても、出発点が低い県ほど倍率は大きくなります。
いじめ認知件数と不登校の関係
不登校の要因として「いじめ」が議論されることがあります。同じテーブルには都道府県別いじめ認知件数(E9502、2013年度以降)が収録されているので、2023年度の値を小中学生100人あたりに直し、不登校率との関係を散布図で見ます。なお認知件数は高等学校と特別支援学校を含む全学校種の合計で、分母は小中学生だけです。県ごとの水準の比較には使えますが、この数値自体を小中学校のいじめ発生率として読むことはできません。
47都道府県での相関係数は-0.001で、両者の間に関係は見られません。認知件数が最も多い山形県(100人あたり16.5件)の不登校率は3.2%で下位に近く、最も少ない長崎県(2.4件)は3.6%と中位です。不登校率が最も高い宮城県(4.7%)の認知件数は8.9件で、47都道府県中16番目です。
いじめの認知件数は、学校がいじめをどこまで拾い上げて報告するかによって大きく変わります。都道府県別に並べたこの2つの指標からは、いじめの多寡が不登校率の県間の差を説明するとは言えません。
まとめ
- 不登校児童生徒数は1991年度の66,817人から2023年度の346,482人へ、32年間で5.2倍に増えた
- 少子化で在籍数が減っているにもかかわらず不登校率は上昇し、2023年度は小中学生の3.76%、およそ27人に1人にあたる
- 都道府県間には最大1.8倍(宮城県4.73%、福井県2.69%)の差がある。2003年度からの増加幅が大きい15県に限っても、伸びは3.06倍から4.91倍まで開いている
- 都道府県別のいじめ認知件数と不登校率の相関係数は-0.001で、県間の差を説明しない
増加が始まった2013年度以降は、いじめ防止対策推進法の施行(2013年)、教育機会確保法の全面施行(2017年)、不登校を問題行動と判断しないとする文部科学省通知(2019年)と、制度の変化が続いた時期にあたります。学校以外の学びの場が制度上認められたことで、報告される人数と実態の関係も変わってきました。増加の解釈には、状況の変化と記録のされ方の変化の両方を織り込む必要があります。
データの出典
本記事は e-Stat 社会・人口統計体系の都道府県別教育データ(e_pref_education)を 2026-07-30 時点で集計しています。元データは文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査で、数値はすべて年度の値です。
不登校の問題は、全国の数字だけでは「増えている」としか見えませんが、都道府県別の率や20年間の変化、いじめ認知件数との関係を横断して並べてはじめて、地域差や要因の手がかりが浮かび上がります。Queriaは、こうした分析の土台になるデータを整えた形で公開しています。e-Statをはじめとする官公庁のオープンデータについて、列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った都道府県別の教育データのテーブルから、自分の地域や気になる年度を取り出して見比べられます。データの整備に時間を取られず、子どもたちの状況をどう読むかという判断そのものに集中できます。
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Claude Code や Codex に Queria スキル を入れて、下のプロンプトを貼るだけです。ターミナルでも、スマホやブラウザのリモート画面でも使えます。
たとえば「沖縄県の不登校率(cat01のE250802・E350502を在籍数E2501・E3501で割った値)を2003年から2023年まで年ごとに出して、全国平均とどれだけ開いていったか比べて」といった深掘りができます。
Queria の公開データで次を分析してください: 沖縄県の不登校率(cat01のE250802・E350502を在籍数E2501・E3501で割った値)を2003年から2023年まで年ごとに出して、全国平均とどれだけ開いていったか比べて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/school-absenteeism.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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claude "Queria の公開データで次を分析してください: 沖縄県の不登校率(cat01のE250802・E350502を在籍数E2501・E3501で割った値)を2003年から2023年まで年ごとに出して、全国平均とどれだけ開いていったか比べて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/school-absenteeism.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"
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