東京と沖縄で2.5倍差ーー1人あたり県民所得でみる地域経済の格差

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1人あたり県民所得は、給与・俸給だけでなく企業の利益や財産所得(利子・配当など)も含む「県民が得た所得の合計を人口で割った値」で、都道府県間の経済力を比較するのに広く使われています。内閣府が毎年公表する県民経済計算がその一次ソースです。

2021年度のデータを見ると、最高は東京都の5,761千円(約576万円)、最低は沖縄県の2,258千円(約226万円)で、その差は約2.5倍にのぼります。この記事では、e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別経済データ(pref_economy)を使い、2011〜2021年度にわたる1人あたり県民所得の動向と地域格差を分析します。

全国平均の推移(2011〜2021年度)

このデータは e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別経済データ(pref_economy)から取得しています。1人あたり県民所得は基準年の違いにより3つのシリーズが収録されています。

コード内容
C1201011人当たり県民所得(平成17年基準)
C1211011人当たり県民所得(平成23年基準)
C1221011人当たり県民所得(平成27年基準)

ここでは最新の平成27年基準(C122101)を使い、2011〜2021年度の全国平均の推移を確認します。単位はすべて千円です。

全国平均は2011年度の2,989千円(約299万円)から2018年度の3,388千円(約339万円)まで7年間で約13%上昇しました。しかし2020年度にはコロナ禍の経済縮小により3,133千円まで急落し、2021年度には3,330千円とほぼ2019年度(3,334千円)の水準まで回復しています。アベノミクス期の上昇基調がコロナで一時中断された構図が見えます。

都道府県別ランキング(2021年度)

2021年度の都道府県別1人あたり県民所得を見てみましょう。上位は青、下位はグレーで色分けしています。

1位は東京都(5,761千円)で2位以下に大きく差をつけています。2位は愛知県(3,597千円)、3位は茨城県(3,438千円)と、自動車産業を中心とした製造業が盛んな県が上位に並びます。東京・神奈川などの大都市圏に加え、静岡・栃木・富山・福井など地方の製造業拠点も上位10位に入っており、「製造業の強さ=1人あたり県民所得の高さ」という傾向が読み取れます。最下位は沖縄県(2,258千円)で、宮崎県(2,409千円)、鳥取県(2,507千円)が続きます。

コロナ前後の変化(2019→2021年度)

コロナ禍(2019→2021年度)の変化率を都道府県別に見てみます。2020年度のコロナ急落からどれだけ回復したかを示すと同時に、一部の県はコロナ前を上回る水準まで伸びています。

2019年度を基準にした2021年度の変化率は、プラスとマイナスの両方が混在しています。最も増加したのは青森県(+8.2%)で、山梨県(+7.1%)、和歌山県(+4.4%)が続きます。一方、最も減少したのは滋賀県(-5.8%)で、香川県(-5.2%)、福岡県(-3.7%)と続きます。観光・宿泊業への依存度が高い地域が必ずしも最も打撃を受けたわけでなく、各地域の産業構造の複合的な影響がうかがえます。東京都は+0.9%とほぼ横ばいで、製造業拠点の多くもコロナ前の水準付近に留まりました。

地図で見る所得分布(2021年度)

最後に、2021年度の1人あたり県民所得を地図で確認します。

地図で見ると、関東・東海・北陸の製造業が集積するエリアが濃い色(高所得)を示しています。東北・九州・沖縄などは相対的に薄い色が続き、地理的な偏りが視覚的に確認できます。東京都は周辺の関東各県よりも大幅に高く、突出した存在です。一方で、関東内でも茨城県・栃木県が神奈川県・千葉県・埼玉県を上回っており、製造業の集積が所得に影響していることが地図からも読み取れます。

まとめ

  • 2021年度の1人あたり県民所得は東京都が最高(5,761千円、約576万円)、沖縄県が最低(2,258千円、約226万円)で、約2.5倍の格差がある
  • 全国平均は2011〜2018年度にかけて上昇傾向にあったが、コロナ禍の2020年度に急落し、2021年度には2019年度並みに回復
  • 上位には愛知・茨城・静岡・栃木・富山など製造業が盛んな地域が並び、大都市圏だけが豊かなわけではない構造が見える
  • コロナ前後(2019→2021年度)の変化は地域によって明暗が分かれ、青森県が最大の増加(+8.2%)、滋賀県が最大の減少(-5.8%)と対照的

1人あたり県民所得の格差は単純な「東京 vs 地方」ではなく、複数年・全47都道府県を横断して並べてはじめて、製造業の強い県の底力や、コロナ前後で明暗が分かれた地域の偏りが見えてきます。Queriaは、こうした比較の土台になるデータを整えた形で公開しています。e-Statをはじめとする官公庁のオープンデータについて、列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った都道府県別経済データのテーブルから、自分が気になる地域や年度を取り出して見比べられます。データの整備に時間を取られず、地域経済をどう読むかという判断そのものに集中できます。

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