外国人宿泊者の半数は3都府県に集中する — インバウンド観光の地域格差をデータで読む

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2025年の訪日外国人数は4,268万人、延べ宿泊者数は1億7,787万人泊と、いずれも過去最高を更新しました。インバウンド消費額も9.5兆円に達し、観光は日本経済の重要な柱になりつつあります。

しかし、その恩恵はすべての地域に等しく届いているのでしょうか。京都や大阪ではオーバーツーリズムが深刻化する一方、地方にはまだ空室が目立つ宿泊施設も少なくありません。この記事では、宿泊旅行統計調査の都道府県別データを使って、インバウンド観光の地域集中度を分析します。

外国人延べ宿泊者数の推移

まず、全国の外国人延べ宿泊者数の推移を確認します。

2009年の約1,830万人泊から2019年には約1億130万人泊と、10年間で5.5倍に急増しました。2020年以降はコロナ禍で急落し、2021年には344万人泊まで落ち込みましたが、2022年には1,361万人泊まで回復に転じています。なお冒頭で触れた2025年の1億7,787万人泊という数字は観光庁の速報値に基づくもので、本グラフのe-Statデータには含まれていません。

都道府県別ランキング — 上位3都府県で半数超

外国人宿泊者は全国に均等に分布しているわけではありません。コロナ前のピークである2019年の都道府県別データを見てみましょう。上位10と下位10を比較します。

1位の東京都(約2,796万人泊)は2位の大阪府(約1,587万人泊)の1.8倍、47位の島根県(約7万人泊)の394倍に相当します。東京・大阪・京都の3都府県だけで全体の52.1%を占め、上位10都道府県まで広げると82.3%に達します。一方、下位10県の合計は全体のわずか1.2%です。

10年で何倍に? 成長率が高いのは地方

絶対数では大都市が圧倒的ですが、成長率で見ると景色が変わります。2009年から2019年にかけて、外国人宿泊者数が何倍に増えたかを都道府県別に比較します。

成長率トップは香川県の21.2倍(約2.6万人泊→約54万人泊)。2位の沖縄県(18.5倍)、3位の奈良県・4位の佐賀県(いずれも12.7倍)と続き、上位には地方県が並びます。一方、東京都の成長率は4.4倍と全国平均の5.5倍を下回っています。絶対数では大都市が圧倒的でも、伸び率では地方が上回る構図が見えます。

国籍別の推移 — アジアが主役

外国人宿泊者数を国籍別に見ると、アジア圏の存在感が際立ちます。

2019年のピーク時には中国が約2,985万人泊でトップ、台湾(約1,347万人泊)、韓国(約972万人泊)、米国(約728万人泊)と続きました。コロナ禍では国境管理政策の違いにより回復速度に差が生じ、2022年時点では米国(199万人泊)と韓国(197万人泊)が先行して回復する一方、中国と台湾はまだ低水準にとどまっています。各国の訪日需要の構造が異なることがデータから読み取れます。

まとめ

  • 外国人延べ宿泊者数は2009年から2019年にかけて5.5倍に急増。2025年には1億7,787万人泊と過去最高を更新(観光庁速報値)
  • 上位3都府県(東京・大阪・京都)に全体の52%が集中し、上位10まで広げると82%に達する
  • 一方で10年間の成長率は地方が上位を占め、香川県は21倍、沖縄県は18倍と急成長

インバウンド観光は数の上では過去最高を更新し続けていますが、その恩恵が一部の都市に集中する構造は変わっていません。政府は2030年までにオーバーツーリズム対策地域を100に倍増させる目標を掲げ、地方への誘客促進を進めています。「量の拡大」から「地方への分散」へ——インバウンド政策の次のフェーズが、各地域の宿泊者数にどう表れるか注目されます。

本記事はAIを活用して作成し、編集部が内容を確認しています。記事内のSQLを実行してデータをご自身で検証いただけます。