
丙午ショック再来? 出生数の長期トレンドを都道府県データで読む
2026年は干支の「丙午(ひのえうま)」にあたります。前回の1966年には「丙午生まれの女性は気性が荒い」という迷信から出産を避ける動きが広がり、出生数が前年比25%も急落しました。あれから60年。過去最少を更新し続ける出生数は、丙午の年にどこまで落ち込むのでしょうか。
この記事では、e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別データを使って、出生数の長期トレンドを追います。
出生数の推移
まず、都道府県の合計値から、全国の出生数推移を確認してみましょう。
出生数は長期にわたり減少が続いています。総務省が2025年2月に公表した人口推計では、2024年の出生数は約72万人。丙午を迎える2026年は60万人割れも懸念されており、この下降トレンドがどこまで続くのかが注目されています。
出生率で見る地域差
全国一律に少子化が進んでいるわけではありません。普通出生率(総人口に対する出生数の割合)で比較すると、都道府県ごとの違いが見えてきます。上位と下位それぞれ10道府県を表示します。
出生率の上位には沖縄県をはじめ九州地方の県が多く並び、大阪府や愛知県といった大都市圏も入っています。一方、下位には秋田県や岩手県など高齢化の進む東北地方の県に加え、北海道も入っています。人口規模と出生率は必ずしも連動せず、地域ごとの年齢構成が大きく影響していることがデータから読み取れます。
代表都道府県の出生数推移
出生率に差がある都道府県では、長期的な推移にどのような違いがあるのでしょうか。東京都・大阪府・愛知県・沖縄県・秋田県を比較してみます。
東京都は人口が集中するため絶対数は多いものの、減少傾向は他県と同様です。大阪府は東京より急なペースで減っており、かつて東京に匹敵していた出生数の差が年々開いています。秋田県のように人口規模の小さい県では、すでに出生数が年間数千人の水準にまで落ち込んでいます。
出生数の変化率
出生数の減り方はどう推移してきたのでしょうか。前の時点からの変化率を見てみます。
データに1966年が含まれていれば、丙午ショックの急落がひときわ目立つはずです。直近ではマイナス幅が拡大する傾向にあり、出生数の減少が加速していることが変化率からも確認できます。
総人口と出生数の関係
最後に、都道府県別の総人口と出生数の関係を散布図で確認します。
人口と出生数はおおむね比例関係にありますが、同じ人口規模でも出生数に差があることが分かります。直線から上に離れている県は出生率が高く、下に離れている県は低い。地域の年齢構成や経済環境が出生数に影響していることがうかがえます。
まとめ
都道府県別の出生データから、以下の構造が見えてきました。
- 出生数は長期的に減少を続けており、近年は減少ペースが加速
- 出生率には都道府県間で大きな差があり、大都市の出生率は必ずしも高くない
- 人口規模の小さい県では出生数が極めて少なくなり、地域社会の維持が課題に
2026年の丙午が1966年のような急落を再現するかは不透明です。迷信の影響力は60年前より弱まっているとも言われますが、SNSでの話題の広がり方は予測が難しい。いずれにせよ、構造的な少子化が進む中で60万人割れが現実味を帯びていることは確かです。今年のデータが出そろったとき、グラフにはどんな数字が刻まれるのか。注視が必要です。