
2023年の救急出動は1975年の5倍、伸びたのは大都市圏の外だった — 人口あたりの差は1.55倍から1.12倍に
2023年、全国の救急車は764万回出動しました。1975年の154万回の5.0倍です。この間に人口は1.11倍にしか増えていないので、人口1万人あたりの出動は137.4件から614.3件へ、4.5倍になっています。
救急車がよく出動するのは人の多い大都市、という印象があるかもしれません。1970年代はたしかにそうでした。1976年の人口1万人あたりの出動は、東京都・神奈川県・大阪府・愛知県・埼玉県・千葉県・兵庫県の7都府県が、ほかの40道府県の1.55倍でした。2023年は1.12倍です。1976年から2023年に大きく伸びたのは、7都府県の外のほうでした。出動件数には病院から別の病院への転院搬送も入るので、住民が救急車を呼んだ回数とは一致しません。
全国の出動件数は1975年の5倍
使ったのは e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別の安全データ(k_pref_safety)にある救急出動件数(K1210)と、人口データ(a_pref_population)の総人口(A1101)・65歳以上人口(A1303)です。
| コード | 内容 | 時点 |
|---|---|---|
| K1210 | 救急出動件数 | 1月〜12月の暦年計 |
| A1101 | 総人口 | 10月1日現在 |
| A1303 | 65歳以上人口 | 10月1日現在 |
救急出動件数は消防庁の救急救助の現況が出どころで、救急自動車が出動した件数です。time_name は「2023年度」のような年度の形ですが、項目定義(K 安全)の時点は暦年計なので、この記事では「年」で書きます。急病や交通事故だけでなく、病院から別の病院へ患者を運ぶ転院搬送も1件に数えます。
2019年に664万件に達したあと、2020年は593万件に減り、2022年に723万件、2023年に764万件と、2年続けて過去最多を更新しました。
大都市圏とほかの道府県の差は、1.55倍から1.12倍に縮んだ
下の図は、人口1万人あたりの出動件数を、大都市圏の7都府県とほかの40道府県に分けて年ごとに出したものです。7都府県は2020年の総人口の上位7都府県で(8位は北海道)、出動件数の合計を人口の合計で割っています。ほかの40道府県には京都府や福岡県、宮城県のように大都市を抱える府県も入ります。1975年は山梨県の出動件数が収録されていないので、都道府県どうしの比較は47都道府県がそろう1976年から始めます。
1976年から2023年に、7都府県は178.5件から650.8件へ3.65倍、40道府県は115.5件から581.8件へ5.04倍になりました。差は一定のペースで縮んだのではなく、2つの時期に分かれています。1976年の1.55倍から1983年の1.32倍までと、2003年の1.31倍から2011年の1.17倍までです。その間の1983〜2003年は1.31〜1.36倍の間にとどまり、2011年以降は1.11〜1.18倍の間で動いています。
7都府県という区切りを使わない見方でも同じ向きです。47都道府県を人口1万人あたりの出動で並べ、多いほうから10の平均を少ないほうから10の平均で割った値は、1976年の1.90倍から2023年の1.32倍になりました。
1976年に出動が少なかった都道府県ほど、大きく伸びた
次の図は、横軸に1976年の人口1万人あたりの出動件数、縦軸に2023年までの伸び(2023年の値を1976年の値で割った倍率)をとったものです。
伸びがいちばん大きかったのは鹿児島県の7.21倍で、熊本県6.86倍、宮城県6.57倍と続きます。いちばん小さかったのは東京都の3.06倍で、神奈川県3.37倍、山梨県3.50倍と続きます。1976年に1万人あたり89.1件だった鹿児島県は2023年に642.2件で、東京都の656.0件とほぼ並びました。47都道府県で見ると、1976年の値と伸びの相関は −0.84 です。
高齢化が速く進んだ都道府県ほど伸びたわけではない
救急出動が増えた理由として、よく高齢化が挙げられます。全国の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は1975年の7.9%から2023年の29.1%になりました。ところが都道府県ごとに見ると、1976年から2023年の高齢化率の上昇幅と、出動の伸びの相関は0.25にとどまります。高齢化率の上昇幅が29.9ポイントで最も大きかった秋田県の伸びは5.49倍で、47都道府県のうち大きいほうから13番目です。
2023年の断面でも、高齢化率が高い県ほど人口あたりの出動が多いという関係はありません。下の図の相関は −0.30 で、高齢化率が最も高い秋田県(39.1%)は1万人あたり529.7件、最も多い大阪府(27.7%)は787.5件です。
相関は県どうしを並べた値で、1人の高齢者が救急車を呼ぶ頻度を表すものではありません。全国で出動が増えたことに高齢化が効いていないという意味でもありません。言えるのは、県と県の差の縮まり方を、高齢化の速さの違いでは説明できないというところまでです。
人口が減った道府県でも、出動は増え続けている
2000年から2023年に総人口が減ったのは39道府県で、その39道府県すべてで救急出動件数が増えました。増え方は山口県の1.56倍から三重県の2.12倍までです。
1970年代には「救急車がよく出るのは大都市」と言えましたが、2023年の人口1万人あたりの出動は、7都府県とほかの40道府県で1割ほどしか違いません。人口の減る県で救急体制を見直すときも、人口が減るぶん出動も減るという前提は、この23年間のどの道府県にも当てはまっていません。
データの出典
本記事は e-Stat 社会・人口統計体系の都道府県別データを2026年10月6日時点で集計しています。救急出動件数の元データは総務省消防庁の救急救助の現況で、定義と時点は項目定義(K 安全)にあります。
1年分の都道府県ランキングだけを見ていると、大都市圏とほかの道府県の差が1970年代から縮んできたことには気づけません。Queriaは、e-Statをはじめとする官公庁のオープンデータを、列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えた形で公開しています。本記事で使った都道府県別の安全統計テーブルから、自分の県の救急出動を半世紀分並べたり、救急自動車数と並べて1台あたりの出動を出したりできます。データを集めて加工する手間をかけずに、地域の救急体制をどう備えるかの検討そのものに集中できます。
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たとえば「救急出動件数(K1210)を人口1万人あたりにして、1976年から2023年の伸びが大きい順に都道府県を並べ、2000年以降だけで見ても同じ県が上位に来るか確かめて」といった深掘りができます。
Queria の公開データで次を分析してください: 救急出動件数(K1210)を人口1万人あたりにして、1976年から2023年の伸びが大きい順に都道府県を並べ、2000年以降だけで見ても同じ県が上位に来るか確かめて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/ambulance-demand-growth.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。
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claude "Queria の公開データで次を分析してください: 救急出動件数(K1210)を人口1万人あたりにして、1976年から2023年の伸びが大きい順に都道府県を並べ、2000年以降だけで見ても同じ県が上位に来るか確かめて 参考 (この記事): https://queria.io/showcase/ambulance-demand-growth.md Queria スキル (https://docs.queria.io/queria-skill) を導入済みならスキルで、未導入なら uvx queria で接続できます。"
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