空き家対策の担当になると、最初に渡されるのは「増えている」という事実です。全国の空き家は2023年に900.2万戸になりました。
ただ、空き家の数は、住宅が増える速さと減る速さの差で決まります。増えるほうは新設住宅の着工戸数として毎月公表され、景気の指標としてよく話題になります。一方の減るほう、つまり実際に取り壊された住宅が何戸あったかを数えたデータを見る機会は、あまりありません。
この記事では、e-Stat の社会・人口統計体系に収められた居住分野のデータを使い、全国と47都道府県について「新しく着工された住宅」と「取り壊された住宅」を並べて数えます。
建てた住宅と壊した住宅を並べる
このデータは e-Stat「社会・人口統計体系」の都道府県別の居住データ(h_pref_housing)から取得しています。住宅の出入りに関わる項目は次の4つです。
| コード | 内容 |
|---|---|
| H1800 | 着工新設住宅戸数 |
| H1900 | 滅失住宅戸数 |
| H1901 | 除却住宅戸数 |
| H1902 | 災害住宅戸数 |
着工新設住宅戸数(H1800)は国土交通省の建築動態統計調査のうち建築着工統計調査によるもので、新築・増築・改築で住宅の戸が新たにつくられた工事の戸数です。滅失住宅戸数(H1900)は同じ調査の建築物滅失統計調査によるもので、老朽化や道路拡幅などで取り壊された除却住宅戸数(H1901)と、火災・風水害・地震で失われた災害住宅戸数(H1902)の合計です。
以下では、災害を含まない除却住宅戸数(H1901)を取り壊しの戸数として扱います。項目の定義によれば、除却の届出は建築基準法第15条にもとづくもので、床面積が10平方メートル以内の工事では届け出が要りません。小さな取り壊しはこの戸数に入っていないことになります。着工・除却とも年度の値で、除却の収録は2000年度から始まります。
2000年度は121.3万戸が着工され、19.3万戸が取り壊されました。2024年度は着工81.6万戸に対して取り壊し10.1万戸です。2つの線は上下に大きく離れたまま、25年間ずっと交わりません。
25年間の累計では、着工が2,453.7万戸、取り壊しが307.7万戸でした。新しく建った住宅100戸に対して、取り壊された住宅は12.5戸という関係です。
減り方も同じではありません。着工はこの25年で32.7%減りましたが、取り壊しは47.8%減っています。
建てる量が減っても、空き家は増え続けています
着工が減れば、住宅は余らなくなっていくのでしょうか。空き家の数を長期で並べると、そうはなっていません。
空き家は1978年の267.9万戸から2023年の900.2万戸へ、45年で3.4倍になりました。2000年度以降で着工が最も多かった2006年度と比べると、2024年度の着工は36.5%少なくなっていますが、その間も空き家は2008年の756.8万戸から2023年の900.2万戸へ増えています。この空き家数は5年ごとの住宅・土地統計調査によるもので、そのままでは生活を営めない廃屋は住宅として数えていません。
都道府県では7戸から33戸まで開きます
取り壊しの多さは地域でどれくらい違うのでしょうか。2000年度から2024年度までの累計で、着工100戸あたりの除却戸数を47都道府県について計算しました。上位10県を濃い赤、中間の27都道府県を薄い赤、下位10都府県をグレーで示しています。
最も多いのは島根県で33.0戸、次いで大分県27.9戸、山形県26.6戸と続きます。最も少ないのは福岡県の7.0戸で、沖縄県8.0戸、大阪府8.7戸がこれに次ぎます。上位と下位では4.7倍の開きがあり、全国の12.5戸を挟んで両側に大きく散らばっています。
上位10県は、いずれもこの25年で人口が減っています。一方の下位10都府県は、人口が増えた6都県と、佐賀県・石川県・京都府・大阪府という人口が減った4府県が混ざっています。
空き家が多い県ほど壊しているわけではありません
では、空き家を多く抱えた県ほど取り壊しが進んでいるのでしょうか。横軸に2023年の空き家率、縦軸に着工100戸あたりの除却戸数を取り、点の色を2000年から2024年の人口の増減で塗り分けました。赤いほど人口が減った県です。
点は右上がりに散らばってはいるものの、ばらつきが大きく、空き家率だけでは取り壊しの多さは決まりません。空き家率が全国で2番目に高い和歌山県(21.2%)の除却は14.8戸で、空き家率が下から11番目の山形県(13.5%)の26.6戸を下回ります。
色を見ると、人口が減った県(赤い点)は上のほうに寄る傾向があります。ただしここにも例外があり、鹿児島県は人口が14.2%減り空き家率も20.5%と高いのに、除却は12.0戸で全国平均を下回ります。人口が17.5%増えた東京都の10.3戸と、人口が7.0%減った石川県の9.5戸が、ほぼ同じ水準に並ぶ組み合わせもあります。
なお空き家率は2023年10月1日時点の一時点の値で、除却戸数は2000年度から2024年度までの累計です。時点の取り方が違うため、この図は「今の空き家の量」と「25年かけて積み上がった取り壊しの量」を並べたものになります。
業務での使い方
- 担当する県の位置を、空き家率ではなく着工100戸あたりの除却戸数で確かめる。空き家率が近くても取り壊しの水準は揃わないので、参考にする他県はこの戸数で選ぶ
- 県単位で除却戸数の年次推移を出し、解体費の補助制度を始めた年度の前後で戸数が動いたかを見る
- 着工戸数と合わせて、地域で発生している解体工事の規模を見積もる。届出の要らない小規模な取り壊しは入っていないので、下限として読む
データの出典
本記事は e-Stat の社会・人口統計体系から、居住分野と人口・世帯分野の都道府県別データを2026年8月25日時点で取得して集計しています。着工新設住宅戸数と除却住宅戸数は国土交通省の建築動態統計調査、空き家数と総住宅数は総務省の住宅・土地統計調査、総人口は国勢調査と人口推計が元データです。着工と除却は年度の値、空き家数と総住宅数は調査年10月1日時点の値です。
住宅がどれだけ生まれ、どれだけ消えているかは、着工の統計と滅失の統計を同じ地域単位・同じ期間でそろえて初めて並べられます。こうした突き合わせの土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。省庁ごとに別々に公表される統計について、列名・単位・文字コードを揃え、都道府県や年度で結合できる形にして、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。本記事で使った居住テーブルから、担当する県の除却戸数を年ごとに確かめたり、人口・世帯テーブルと合わせて世帯数の動きと並べたりできます。統計の整備に時間を取られず、空き家対策をどこにどれだけ振り向けるかの判断そのものに集中できます。
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For example, you could explore “e_stat.ssds.h_pref_housing の着工新設住宅戸数(H1800)と除却住宅戸数(H1901)を、自分の県について2000年度から2024年度まで年ごとに出して。着工100戸あたりの除却戸数も年ごとに計算して、隣の県と並べて”.
Using Queria's open data, analyze the following: e_stat.ssds.h_pref_housing の着工新設住宅戸数(H1800)と除却住宅戸数(H1901)を、自分の県について2000年度から2024年度まで年ごとに出して。着工100戸あたりの除却戸数も年ごとに計算して、隣の県と並べて Reference (this report): https://queria.io/showcase/housing-demolition-vs-starts.md Connect with the Queria connector (https://queria.io/mcp) or the Queria CLI (uvx queria). Run uvx queria --help and uvx queria docs list to learn the CLI.
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claude "Using Queria's open data, analyze the following: e_stat.ssds.h_pref_housing の着工新設住宅戸数(H1800)と除却住宅戸数(H1901)を、自分の県について2000年度から2024年度まで年ごとに出して。着工100戸あたりの除却戸数も年ごとに計算して、隣の県と並べて Reference (this report): https://queria.io/showcase/housing-demolition-vs-starts.md Connect with the Queria connector (https://queria.io/mcp) or the Queria CLI (uvx queria). Run uvx queria --help and uvx queria docs list to learn the CLI."