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外国人が支える自治体 — 人口減少を外国人増加が補う町

Data usedqueria/e_stat

人口が減る町を外国人の増加が支えている、という説明をよく見かけます。その町が全国にいくつあるのかは、市区町村を横に並べれば数えられます。e-Stat「社会・人口統計体系」には市区町村ごとの総人口と外国人人口が同じ表に入っているので、両方の増減を引き算するだけで済みます。

数えると55でした。2015年から2020年にかけて外国人以外の人口が減った市区町村は1,475ありますが、そのうち外国人の増加で総人口が増加に転じたのは55だけです。

全国の外国人人口推移

まず全国の外国人人口を確認します。

1980年の66万8,675人から2020年の240万2,460人まで、40年で3.6倍になりました。国勢調査をもとにした系列なので5年刻みで、収録は2020年までです。

外国人と、それ以外の人口

この240万人が全国の人口をどれだけ支えているのかを見るには、外国人と、それを除いた人口を分けて並べます。総人口には外国人が含まれるため、総人口と外国人人口を並べても、大きいほうが小さいほうを含んでいるだけになるからです。2010年をそれぞれ100とした指数で示します。

外国人以外の人口は2010年の1億2,640万9,315人がピークで、2020年は1億2,374万3,639人と97.9まで下がりました。同じ10年で外国人は164万8,037人から240万2,460人へ145.8まで増えています。減った266万5,676人に対して増えたのは75万4,423人なので、全国で見れば外国人の増加が埋めたのは減少分の28.3%です。

ここでいう「外国人以外」は、日本人と、国籍が判明していない人の合計です。国勢調査は国籍を答えなかった人を不詳として別に集計しており、その人数は年々増えています。

2020年の国籍不詳は220万2,484人で総人口の1.75%です。2015年の0.83%から倍増しました。不詳が増えると「外国人以外」はその分だけ多く見えるため、以下で数える減少幅は実際よりも小さく出ます。この記事の55という数は下限です。

外国人比率が高い市区町村

どの市区町村に外国人が集まっているのかを、2020年の外国人比率(外国人人口 / 総人口)で並べます。分母が小さいと数十人の増減で比率が振れるため、総人口1万人以上に絞っています。

群馬県大泉町の17.6%が突出しており、2位の東京都豊島区と3位の埼玉県蕨市はいずれも8.5%で、大泉町の半分以下です。以下は岐阜県美濃加茂市8.2%、茨城県常総市7.8%、東京都新宿区7.8%と続きます。東京の都心部と、北関東・東海の製造業が集まる市町が交互に並ぶ形です。

なおこの表では、政令指定都市を市全体で1件として数え、その行政区は除いています。東京23区は各区を1件として数えています。区と市と町が同じ順位表に混ざると、同じ人口が市と区で二重に並ぶためです。市区町村かどうかの判定には e_stat.code.municipality の is_municipality を使い、1,741件に絞りました。

いつから増えたのか

上位に並んだ5つの市区町について、外国人比率を1980年からたどります。

同じ上位でも、上がり方は2種類あります。大泉町と常総市は1990年から1995年にかけて跳ね、大泉町は2.65%から7.81%へ、常総市は0.42%から1.82%へ動きました。美濃加茂市が跳ねたのはその次の5年で、1995年の1.86%から2000年に5.70%になっています。その後は3市町とも一度比率を落としており、大泉町は2005年の14.65%から2010年に12.97%、美濃加茂市は2010年の7.65%から2015年に6.40%、常総市は2005年の4.62%から2015年に3.72%まで下がりました。製造業の雇用に連動して増減する形です。

これに対し豊島区と蕨市は、1980年の0.98%・0.38%から2020年の8.48%・8.47%まで上がり続けています。蕨市は9時点のあいだ一度も前回を下回っていません。豊島区も2000年に3.60%から3.48%へ下げた1回を除けば上昇が続いています。

外国人が増えている市区町村

次に、2015年から2020年の外国人人口の増加数を市区町村別に並べます。2015年時点で外国人が100人以上いた自治体に絞っています。

上位は大阪市の4万2,018人を筆頭に、横浜市・川崎市・名古屋市と大都市が占めます。ただしこの20市区のうち18では、外国人以外の人口も同じ5年間で増えています。人口が減るのを外国人が食い止めたのではなく、もともと人が集まる都市で外国人も増えた、という並びです。

例外は2つあります。千葉市は外国人が6,636人増える一方で外国人以外が3,567人減り、浜松市は外国人が5,929人増えても外国人以外が1万3,191人減りました。同じ「外国人増加数の上位」でも、千葉市では総人口が増加に転じ、浜松市では減少を埋めきれていません。

補えた町は55

そこで、外国人以外の人口が減った市区町村だけを取り出し、外国人の増加がそれを上回ったかどうかで分けます。

市区町村1,741のうち、外国人以外が減ったのは1,475(84.7%)です。そのうち1,301では外国人が増えていますが、増加が減少を上回って総人口が増えたのは55にとどまります。外国人が増えた1,301市区町村でも、外国人の増加が外国人以外の減少を埋めた割合は中央値で5.2%です。外国人以外が100人減った町で、外国人が5人増えたという規模です。

その55市区町村のうち、総人口の増加数が大きい15件を示します。

先頭は群馬県太田市で、外国人以外が440人減ったところに外国人が3,647人増え、総人口は3,207人増えました。群馬県伊勢崎市は外国人以外の減少が30人しかなく、3,066人の外国人増加がそのまま総人口の増加になっています。埼玉県蕨市は532人減に対して2,555人増、静岡県菊川市は260人減に対して1,286人増です。

千葉市と八王子市は減少幅がそれぞれ3,567人・1,579人と大きく、外国人の6,636人・3,421人がそれを上回りました。この15件の顔ぶれは、外国人比率のランキングと重なります。大泉町・蕨市・可児市・碧南市・菊川市は比率の上位20にも入っており、すでに外国人が多い町ほど、人口の下支えも外国人の増加に依存している形です。

まとめ

市区町村別の外国人人口を数えて分かったことを整理します。

  • 全国の外国人人口は1980年の66万8,675人から2020年の240万2,460人へ3.6倍になった
  • 外国人以外の人口は2010年がピークで、2020年までに266万5,676人減った。同じ10年の外国人の増加75万4,423人は、その28.3%にあたる
  • 市区町村1,741のうち外国人以外が減ったのは1,475。外国人の増加で総人口が増加に転じたのは55にとどまる
  • 外国人が増えた1,301市区町村でも、外国人以外の減少を埋めた割合は中央値で5.2%
  • 外国人増加数の上位20市区のうち18は外国人以外も増えている。大都市の外国人増加は、人口減少の穴埋めとは別の現象になっている

外国人の増加が人口減少を補っている町は確かにあります。ただしそれは全国どこでも起きていることではなく、外国人比率がすでに高い一部の市町に限られています。

データの出典

本記事は e-Stat 社会・人口統計体系の都道府県データ(a_pref_population)と市区町村データ(a_municipal_population)を2026年8月26日時点で集計しています。使ったのは A1101_総人口・A1102_日本人人口・A1700_外国人人口 の3指標で、いずれも出どころは総務省統計局の国勢調査です。定義は e-Stat の項目定義 A 人口・世帯によります。市区町村の外国人人口は1980年から2020年まで5年刻みで収録されており、2021年以降は含まれません。市区町村の区域は集計時点のもので、過去の値も合併後の区域に組み替えられています。

このデータからは、外国人住民の国籍・在留資格・就労状況までは分かりません。技能実習・留学・永住などの内訳は別の統計を参照する必要があります。

人口を支えているのが誰なのかは、一つの自治体だけを見ていてもつかめません。1,741の市区町村を同じ条件で並べて初めて、補えている町とそうでない町の数が分かります。こうした数え上げの土台になるデータを、Queriaは整えた形で公開しています。列名・単位・文字コードを揃え、テーブルやカラムの意味をメタデータとして添えてあります。データを集めて加工する手間をかけずに、本記事で使った市区町村別の人口統計テーブルから、自分の関心のある地域の総人口と外国人人口を同じ表で取り出せます。

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For example, you could explore “a_municipal_population の A1101 と A1700 から、2015年と2020年の外国人以外の人口(総人口−外国人人口)を出して。対象は e_stat.code.municipality の is_municipality で市区町村1,741件に絞って。外国人以外が減ったのに総人口が増えた自治体を、外国人の増加数が減少をどれだけ上回ったか順に並べて”.

Using Queria's open data, analyze the following: a_municipal_population の A1101 と A1700 から、2015年と2020年の外国人以外の人口(総人口−外国人人口)を出して。対象は e_stat.code.municipality の is_municipality で市区町村1,741件に絞って。外国人以外が減ったのに総人口が増えた自治体を、外国人の増加数が減少をどれだけ上回ったか順に並べて
Reference (this report): https://queria.io/showcase/foreign-population.md
Connect with the Queria connector (https://queria.io/mcp) or the Queria CLI (uvx queria). Run uvx queria --help and uvx queria docs list to learn the CLI.
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